第327回 鈴鹿山と役行者山~後祭宵宵山散策~その1
また2015年も、祇園祭宵山の取材をします。
昨年(2014年)は前祭を散策しましたので、
今年(2015年)は後祭を回ります。
前祭の山鉾は24基あるのですが、後祭は11基しかありません。
(どちらも、休み山を含みます)
その分、ゆっくりと回りました。

またまた今年(2015年)も地下鉄烏丸線「烏丸御池」駅に来ました。
後祭の山鉾の大半が、蛸薬師通以北に集中します。
今回は、この駅前の山鉾を回ります。
撮影日は、2015年7月22日水曜日午後4時半。
仕事帰りなので、この時間になりました。

今まで自分が乗っていた国際会館行きの地下鉄が
「烏丸御池」駅を出ていきます。
この駅は、このようにホームを電車が隔絶されて
安全に造られていますね。

地下鉄烏丸線「烏丸御池」駅のホームを南下しています。
ここはかなり長いのですが、(100m以上)
うっかり北側に乗ってしまったのでだいぶ歩かないといけません。

地下鉄「烏丸御池」駅の最南端にエスカレータがあって、
そこを上ると三条通側の改札口があります。

改札を抜けて、右(西)を向きました。
では、この6番出口から地上に出ます。

先ほどの位置から階段を上りました。
目の前の6番出口から、地上が見えますね。
この日は台風はきていませんでしたが、
大雨注意報が発令中でした。

地下鉄「烏丸御池」駅6番出口の前で、烏丸通を北に向いています。
決して大雨ではありませんが、そこそこの雨量で降っています。

その6番出口から、御池通方面(北)に約50m進みました。
烏丸通沿いに、鈴鹿山が立っています。
悪鬼を退治した戦女神の鈴鹿権現を祀っています。
この写真は、クリックすると拡大されます。

鈴鹿山の目から、北を向いています。
「姉小路烏丸」交差点南西角に、鈴鹿山の会所があります。

こちらが、鈴鹿山の会所です。
町衆の皆さんは、お話してちょっとだけ脇に外れてもらっています。
前掛けと見送りに挟まれて、額と掛け軸があります。
額には「瀬織津姫命」(鈴鹿権現のこと)と書かれており、
掛け軸には「祇園 牛頭天王」と書かれています。
八坂社や祇園社に祀られるのは、牛頭天王と呼ばれる牛鬼の王です。
天然痘をばら撒き多くの人々を殺していく中国由来の疫病神ですが、
同じく疫病神の素戔嗚尊(すさのおのみこと)と同一視されます。
この写真も、クリックすれば拡大されます。

その脇に、こちらのお地蔵さんがいらっしゃいました。
こちらにも、お参りします。

そのお地蔵さんの脇に大きな祠があって、
そちらに鈴鹿権現のご神体がいらっしゃいます。
「祇園祭随一の美人像」と言われていますが、
ウチのブログでは毎回祠の前だけ撮ります。
では、向こうの姉小路側からここを出ます。

鈴鹿山の会所から、姉小路を東に向いています。
向こうの烏丸通の交差点の先に、新風館があります。
だんだんと日が傾いて、鈴鹿山の提灯に火が灯りました。

今度は同じ場所で、姉小路を西に向きました。
左(南)側の喫茶店は、第205回ブログで
お昼のお弁当を店頭販売していました。
では、こちらの方に進んでいきます。

鈴鹿山の会所から、姉小路を西に約30m進みました。
こちらは両替町通との辻です。
両替町通は三条通以北の道ですので、山鉾は立ちません。
ですから、ここは素通りです。

両替通から、姉小路を西に進んでいます。
頭上を見ると、提灯に「役行者山」と書かれていますね。

先ほどの写真にあった犬矢来の付いた町家をアップにしました。
こちらは、「永楽屋」という手拭い(和製タオル)のお店です。
また、この店舗が役行者山の会所を兼ねています。

その「永楽屋」の店舗は、姉小路室町の辻南東角にあります。
ここから、室町通側に役行者山の提灯が見えますね。

姉小路から、室町通を南に向いています。
役行者山は室町通沿いに立ちますが、
ほとんど姉小路に接するくらい近いですね。

役行者山の脇から、南を向いています。
「永楽屋」の入り口の脇に、会所への入り口があります。

役行者山の会所に向かっています。
入り口から、会所まで細長い土間が続きます。
京町家独特の「うなぎの寝床」ですね。

役行者山の会所に入ってきました。
こちらが役行者山の前掛け・胴掛け・見送りです。
この写真は、クリックすると拡大されます。

こちらが、ご神体の神像です。
左から、一言主神(ひとことぬし)・神変大菩薩・葛城神です。
神変大菩薩とは、役行者の仏としての名前です。
役行者は、本名役小角(えんのおづぬ)という飛鳥時代の人物です。
元は大和(奈良県)の地方豪族でしたが、
密教と山岳信仰を融合させた修験道という独自宗教を開きました。
荒唐無稽な伝承が多いので架空の人物と思われがちですが、
「続日本紀」(「日本書紀の」続編)にも出てくる実在の人物です。
この写真も、クリックすると拡大されます。

ご神体がいらっしゃる大きな祠の東側に、
「役行者の腰掛石」と言われる岩があります。
こちらに触れると、肩こりや腰こりにご利益があるそうです。

その岩の前で、西を向きました。
ここから室町通まで、一望できます。
前祭の霰天神山、後祭の鯉山などの会所が、
この役行者山と同じ形状をしています。
入り口から土間が一直線に貫いているのが、
京町家内部の典型例ですね。

役行者山会所前から、南を向いています。
では、ここから南下します。

ここは、役行者山の南側から見た室町通です。
現時点では唯の道ですが、
撮影日の次の日(7月23日の宵山)には聖護院の修験者がやってきて、
護摩焚供養を行います。(第138回ブログ参照)

こちらは、先ほどの写真にも写っていた京町家です。
黒塗りで、なかなか見事な構えですね。
この写真も、クリックすれば拡大されます。

その黒塗りの京町家の斜め向かいにも、
手拭いの「永楽屋」の店舗があります。
確かこちらが本店だったと思います。

「永楽屋」の玄関先には、手拭いが展示されています。
ここの手拭いは、単なる「タオル」としての機能もありますが、
美術品として室内に飾ることもできます。
では、ちょっとここに寄っていきます。

「永楽屋」1Fの売り場を通り抜け、2Fの奥にやって来ました。
店員さんの許可を得て、この奥を撮影します。
祇園祭宵山の楽しみは、各会所回り以外にも
周辺の店舗内を訪れることも含まれます。

祇園祭期間中は、各店舗がそれぞれの家宝や美術品を展示します。
バブル崩壊(1991年)以降そのようなこともだいぶ減りましたが、
この「永楽屋」はまだまだ展示を続けています。
こちらは江戸時代から続く手拭いの製造販売のお店です。
ですから、こちらは昔から「手拭いの美術展」を開いています。
向こうの1本1本が手拭いでできています。
この写真は、クリックすると拡大されます。

こちらのさらに奥の部屋も、「手拭いの美術展」が開かれています。
向こうの部屋は祇園祭中心でしたが、こちらはいろいろです。
手拭い以外にも、こちらには屏風も展示されています。
この写真も、クリックすると拡大されます。

その二つの部屋には壁がなく、向こうを見ることができます。
奥のモニターでは、手拭いの機織りから染付までの行程を
MCと職人さんが説明していました。
手前には、懐かしい5つ玉の算盤が展示されていました。
ウチも古い商家なので、何竿か残っています。

一番奥の壁には、こちらが展示されていました。
もうこうなると、手拭いというよりも布製タペストリーですね。
実は、ウチも鯉山の手拭いを部屋に飾ったりしています。
この写真も、クリックすれば拡大されます。

「永楽屋」の前で、室町通を南に向いています。
向こうに、三条通が見えますね。

「永楽屋」の前から、室町通を南に約50m進みました。
目の前に三条通との辻があります。
その向こうに見えるのが黒主山ですが、
そちらにはまた別の回に行きます。
今回は、ここまでです。
~次回は、鷹山と八幡山に向かいます~
昨年(2014年)は前祭を散策しましたので、
今年(2015年)は後祭を回ります。
前祭の山鉾は24基あるのですが、後祭は11基しかありません。
(どちらも、休み山を含みます)
その分、ゆっくりと回りました。

またまた今年(2015年)も地下鉄烏丸線「烏丸御池」駅に来ました。
後祭の山鉾の大半が、蛸薬師通以北に集中します。
今回は、この駅前の山鉾を回ります。
撮影日は、2015年7月22日水曜日午後4時半。
仕事帰りなので、この時間になりました。

今まで自分が乗っていた国際会館行きの地下鉄が
「烏丸御池」駅を出ていきます。
この駅は、このようにホームを電車が隔絶されて
安全に造られていますね。

地下鉄烏丸線「烏丸御池」駅のホームを南下しています。
ここはかなり長いのですが、(100m以上)
うっかり北側に乗ってしまったのでだいぶ歩かないといけません。

地下鉄「烏丸御池」駅の最南端にエスカレータがあって、
そこを上ると三条通側の改札口があります。

改札を抜けて、右(西)を向きました。
では、この6番出口から地上に出ます。

先ほどの位置から階段を上りました。
目の前の6番出口から、地上が見えますね。
この日は台風はきていませんでしたが、
大雨注意報が発令中でした。

地下鉄「烏丸御池」駅6番出口の前で、烏丸通を北に向いています。
決して大雨ではありませんが、そこそこの雨量で降っています。

その6番出口から、御池通方面(北)に約50m進みました。
烏丸通沿いに、鈴鹿山が立っています。
悪鬼を退治した戦女神の鈴鹿権現を祀っています。
この写真は、クリックすると拡大されます。

鈴鹿山の目から、北を向いています。
「姉小路烏丸」交差点南西角に、鈴鹿山の会所があります。

こちらが、鈴鹿山の会所です。
町衆の皆さんは、お話してちょっとだけ脇に外れてもらっています。
前掛けと見送りに挟まれて、額と掛け軸があります。
額には「瀬織津姫命」(鈴鹿権現のこと)と書かれており、
掛け軸には「祇園 牛頭天王」と書かれています。
八坂社や祇園社に祀られるのは、牛頭天王と呼ばれる牛鬼の王です。
天然痘をばら撒き多くの人々を殺していく中国由来の疫病神ですが、
同じく疫病神の素戔嗚尊(すさのおのみこと)と同一視されます。
この写真も、クリックすれば拡大されます。

その脇に、こちらのお地蔵さんがいらっしゃいました。
こちらにも、お参りします。

そのお地蔵さんの脇に大きな祠があって、
そちらに鈴鹿権現のご神体がいらっしゃいます。
「祇園祭随一の美人像」と言われていますが、
ウチのブログでは毎回祠の前だけ撮ります。
では、向こうの姉小路側からここを出ます。

鈴鹿山の会所から、姉小路を東に向いています。
向こうの烏丸通の交差点の先に、新風館があります。
だんだんと日が傾いて、鈴鹿山の提灯に火が灯りました。

今度は同じ場所で、姉小路を西に向きました。
左(南)側の喫茶店は、第205回ブログで
お昼のお弁当を店頭販売していました。
では、こちらの方に進んでいきます。

鈴鹿山の会所から、姉小路を西に約30m進みました。
こちらは両替町通との辻です。
両替町通は三条通以北の道ですので、山鉾は立ちません。
ですから、ここは素通りです。

両替通から、姉小路を西に進んでいます。
頭上を見ると、提灯に「役行者山」と書かれていますね。

先ほどの写真にあった犬矢来の付いた町家をアップにしました。
こちらは、「永楽屋」という手拭い(和製タオル)のお店です。
また、この店舗が役行者山の会所を兼ねています。

その「永楽屋」の店舗は、姉小路室町の辻南東角にあります。
ここから、室町通側に役行者山の提灯が見えますね。

姉小路から、室町通を南に向いています。
役行者山は室町通沿いに立ちますが、
ほとんど姉小路に接するくらい近いですね。

役行者山の脇から、南を向いています。
「永楽屋」の入り口の脇に、会所への入り口があります。

役行者山の会所に向かっています。
入り口から、会所まで細長い土間が続きます。
京町家独特の「うなぎの寝床」ですね。

役行者山の会所に入ってきました。
こちらが役行者山の前掛け・胴掛け・見送りです。
この写真は、クリックすると拡大されます。

こちらが、ご神体の神像です。
左から、一言主神(ひとことぬし)・神変大菩薩・葛城神です。
神変大菩薩とは、役行者の仏としての名前です。
役行者は、本名役小角(えんのおづぬ)という飛鳥時代の人物です。
元は大和(奈良県)の地方豪族でしたが、
密教と山岳信仰を融合させた修験道という独自宗教を開きました。
荒唐無稽な伝承が多いので架空の人物と思われがちですが、
「続日本紀」(「日本書紀の」続編)にも出てくる実在の人物です。
この写真も、クリックすると拡大されます。

ご神体がいらっしゃる大きな祠の東側に、
「役行者の腰掛石」と言われる岩があります。
こちらに触れると、肩こりや腰こりにご利益があるそうです。

その岩の前で、西を向きました。
ここから室町通まで、一望できます。
前祭の霰天神山、後祭の鯉山などの会所が、
この役行者山と同じ形状をしています。
入り口から土間が一直線に貫いているのが、
京町家内部の典型例ですね。

役行者山会所前から、南を向いています。
では、ここから南下します。

ここは、役行者山の南側から見た室町通です。
現時点では唯の道ですが、
撮影日の次の日(7月23日の宵山)には聖護院の修験者がやってきて、
護摩焚供養を行います。(第138回ブログ参照)

こちらは、先ほどの写真にも写っていた京町家です。
黒塗りで、なかなか見事な構えですね。
この写真も、クリックすれば拡大されます。

その黒塗りの京町家の斜め向かいにも、
手拭いの「永楽屋」の店舗があります。
確かこちらが本店だったと思います。

「永楽屋」の玄関先には、手拭いが展示されています。
ここの手拭いは、単なる「タオル」としての機能もありますが、
美術品として室内に飾ることもできます。
では、ちょっとここに寄っていきます。

「永楽屋」1Fの売り場を通り抜け、2Fの奥にやって来ました。
店員さんの許可を得て、この奥を撮影します。
祇園祭宵山の楽しみは、各会所回り以外にも
周辺の店舗内を訪れることも含まれます。

祇園祭期間中は、各店舗がそれぞれの家宝や美術品を展示します。
バブル崩壊(1991年)以降そのようなこともだいぶ減りましたが、
この「永楽屋」はまだまだ展示を続けています。
こちらは江戸時代から続く手拭いの製造販売のお店です。
ですから、こちらは昔から「手拭いの美術展」を開いています。
向こうの1本1本が手拭いでできています。
この写真は、クリックすると拡大されます。

こちらのさらに奥の部屋も、「手拭いの美術展」が開かれています。
向こうの部屋は祇園祭中心でしたが、こちらはいろいろです。
手拭い以外にも、こちらには屏風も展示されています。
この写真も、クリックすると拡大されます。

その二つの部屋には壁がなく、向こうを見ることができます。
奥のモニターでは、手拭いの機織りから染付までの行程を
MCと職人さんが説明していました。
手前には、懐かしい5つ玉の算盤が展示されていました。
ウチも古い商家なので、何竿か残っています。

一番奥の壁には、こちらが展示されていました。
もうこうなると、手拭いというよりも布製タペストリーですね。
実は、ウチも鯉山の手拭いを部屋に飾ったりしています。
この写真も、クリックすれば拡大されます。

「永楽屋」の前で、室町通を南に向いています。
向こうに、三条通が見えますね。

「永楽屋」の前から、室町通を南に約50m進みました。
目の前に三条通との辻があります。
その向こうに見えるのが黒主山ですが、
そちらにはまた別の回に行きます。
今回は、ここまでです。
~次回は、鷹山と八幡山に向かいます~
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