第324回 長刀鉾 辻回し~暴風雨の山鉾巡行~その1
7月17日午前の段階で中国山地に中心があって、
その東側に位置する近畿地方はその間暴風雨が吹き荒れました。
しかし、台風が来ようが警報が発令されようが
祇園祭山鉾巡行は強行されます。
極端な話、1864年のどんどん焼けの2年後には再開されています。
(例え祇園祭の山鉾の大半が焼失しても、再開したのです)
まぁ京都人にとっては、それくらい大切なお祭りということです。

地下鉄東西線「京都市役所前」駅のホームにいます。
山鉾巡行見物には何か所か撮影ポイントがあるのですが、
自分の好みは「京都市役所前」(「御池河原町」交差点)です。
辻回しを見るには交差点である必要がありますが、
「四条河原町」交差点はあちこち移動しながらの撮影が無理です。
すると、選択肢が一つだけになるのです。
では、ここから地上に出て交差点に向かいます。
撮影日は2015年7月17日金曜日午前9時50分。
夜に入って、JR京都駅線が全面運休になりました!

地下鉄「京都市役所前」駅のホームを上がり、改札の前に出ました。
では、ここを通って目的地に向かいます。

地下鉄「京都市役所」駅を出て、西を向きました。
向こうの広場が、「御池河原町」交差点の真下に当たります。

地下鉄「京都市役所前」駅の改札から、西に約10m進みました。
ここから西が、ZEST 御池という地下街です。
(第161回ブログでも出てきましたね)
ここは、午前6時から開いています。
「御池河原町」交差点下の広場ではよくイベントが開かれますが、
この日は「京都物産展」が開かれていました。
たぶん、地方からの観光客ねらいですね。

その広場で、右(北)を向きました。
ここから京都ホテルオークラに入れますが、
地下鉄の3番出口もこちらにあります。

京都ホテルオークラの地下入口の手前に階段があり、
そこを上って地上に出ました。
ここが、地下鉄「京都市役所前」駅3番出口です。

さらに車道に向かって前に出ました。
この辺りが、「京都市役所前」(「御池河原町」交差点)北東角です。

御池通から、河原町通を南に向いています。
ずっと向こうに、「三条河原町」交差点が見えますね。
(第69回ブログにも、出てきましたね)
現在2015年7月17日午前10時ですが、
その三条通以南にも巡行の先頭が見えません。

今度は、河原町通の北側を見ました。
左(西)側に京都市役所が見えて、その北隣に島津製作所も見えます。
「御池河原町」交差点北約100mに、規制線が張られました。

規制線が完成すると、報道関係者がそちらに向かいました。
「こちらの方が、撮影には向いていますよ」
京都府警警察官の一言で、さらに多くの方々が移動しました。
確かに「辻回し」はそこがベストポジションですが、
撮影位置が固定されて他の場所に移動できなくなります。
ですから、もう暫らくここで撮影します。

10時を回りましたが、巡行の行列はまだまだ来ません。
「御池河原町」交差点北西角に電光掲示板があって、
そこには「現在京都府南部 大雨警報」と書かれていました。

午前10時10分になると、突然交差点の信号が消えました。
いよいよ巡行の行列が近付いてきたようですね。

そして、京都府警警察官も騒がしくなってきました。
昨年の葵祭のときとは違い、みなさん合羽を着られていますね。
山鉾巡行の行列も、もうすぐですね。

その直後に、三条通近辺に先導のパトカーが現れました。
午前10時15分になって、
「御池河原町」交差点でも山鉾巡行が始まりました。

パトカーの背後から、幟を持った男性が行進されています。
「祇園会」という文字が見えますね。

そして、その後ろから祇園祭「鉾1番」長刀鉾が姿を現しました。
すると、先頭の氏子さんが
竹の切れ端を何本か持って先を急ぎました。

そして、その竹の切れ端を交差点の中央に並べ始めました。
これが、「辻回し」の下準備です。

そうこうしているうちに、長刀鉾が交差点内に入ってきました。
すると、「祇園囃」のテンポが急に速くなりました。

長刀鉾はそのまま北上し続けますので、
自分が撮影している目の前まで、曳き手が来られました。
交差点の中央で長刀鉾を止めた途端、
「さぁ、次は『辻回し』や」
曳き手の先頭の氏子さんはそうおっしゃれて、
交差点の西側へと走り去られました。

竹の切れ端を並べている間、長刀鉾は全く動きません。
その間に、長刀鉾をアップにしました。
こちらは、祇園祭唯一の「生き稚児」さんが活躍します。
この写真以降、他の写真もすべてクリックすれば拡大されます。

曳き手の皆さんは、御池通の方に移動されました。
(鉾に対して、約90°の位置ですね)
この時点で、先ほどの竹の切れ端が鉾の車の下に噛ませてあります。
この辺りの写真は、全てクリックすると拡大されます。
(以降は書きませんが、すべでの写真が拡大可能です)

こうして、「辻回し」の準備ができました。
すると、鉾の前に立たれた4人が団扇を掲げて
掛け声を挙げられました。

「エイヤラヤ~」の掛け声とともに、
曳き手の皆さんが真横から鉾を曳かれます。
すると竹の上の車輪が横滑りして、長刀鉾は左折しました。
これが、「辻回し」の手順です。

長刀鉾は、約60°西に傾きました。
そこで、また最初から同じ手順を繰り返します。
1回の「辻回し」に約5分かかるので、
交差点を抜けるのに約15分~20分かかります。
これが、山鉾巡行に時間がかかる最大の理由です。
もちろん車輪を工夫すれば、
「辻回し」無しですぐに左折できます。
ただ、それでは面白味がありません。
敢えて「辻回し」で曲がることに意義があるのです。

そうこうしているうちに、後続の山鉾が来ました。
こちらは、「山1番」の孟宗山ですね。

ようやくこの交差点での2度目の「辻回し」の準備が整いました。
先導の4人が、また団扇を掲げて掛け声を挙げます。

再び「エイヤラヤ~」の掛け声とともに、
横から鉾が曳かれ30°ほど西に左折しました。
これで、合計90°に左折しました。
普段ならもっと「辻回し」を繰り返すのですが、(4回くらい)
竹が濡れているので今年(2015年)は滑りがいいですね。
(普段は、水をまいてわざわざ竹を濡らします)

長刀鉾の下の方をアップで撮りました。
「辻回し」が終わり、
ここに竹の切れ端などの用具を入れていきます。

交差点に散らかっていた「辻回し」のための用具を
すべて鉾の下に収めると、
いよいよ御池通に向かって長刀鉾が進みます。
先導の4人が団扇を掲げて、前進の合図を送ります。

「エイヤラヤ~」の掛け声で、長刀鉾は御池通を西に進みます。
すると、長刀鉾の「祇園囃」がまたゆっくりとした曲に戻りました。
今年の長刀鉾の「辻回し」は、約15分でした。
たぶん、これは例年よりもずっと早いと思います。
先述の通り、雨天(暴風雨)は車輪の滑りがいいようです。

長刀鉾が御池通を西に進み、京都市役所前を通り過ぎます。
次は、孟宗山の「辻回し」ですね。
これで、前祭23基のうち1基だけが「辻回し」を終えました。
これからまだまだ山鉾巡行は続くのですが、
写真をだいぶ貼り付けたので
続きは次回以降とします。
今回は、ここまでです。