第438回 芬陀院の雪舟庭園~月輪紅葉散策2016~その1
京都市東山区の南西端を「月輪」(つきのわ)と呼びます。
今熊野(いまぐまの)の南隣で、
さらに南にいくと御山(稲荷山)のある京都市伏見区深草です。
泉涌寺を開山された月輪大師(がちりんだいし)に由来する通り、
泉涌寺と東福寺を含む地域です。
月輪には毎年紅葉散策には出かけていたものの、
2012年11月3日以来ブログには載せていませんでした。
この辺りは豊国神社や三十三間堂に次ぐウチの近所なので、
ついつい「いつでも取材できる」と思い、後回しにしていました。
気が付いたらここの紅葉散策は約4年取材しておらず、
(紅葉以外なら、約2年ぶり)
それで今年は近所のこちらを訪れました。

……というわけで本当は徒歩圏内ですが、
京阪電鉄を一駅だけ乗って「東福寺」駅に着きました。
今回は本町通を南下して、東福寺中大門より境内に入り
芬陀院庭園を見ていきます。
撮影日は、2016年11月23日勤労感謝の日の水曜日午前10時半。
曇り空が、だんだん晴れていきました。

先ほどまで乗っていた大阪の淀屋橋行きの準急が出発しました。
京都府内の京阪電鉄の準急は、各駅に停車します。
(この駅には、特急はもちろん急行も停まりません)
こうして見ると、今年(2016年)は月輪を訪れる方が少ないですね。
(例年なら、ホーム一杯に人が溢れて立錐の余地もありません)

ホームから、東を向いています。
この先が改札口で、その先でJR来られた方と合流します。
(JR奈良線「東福寺」駅の様子は、第144回ブログ参照)

京阪電鉄とJR奈良線の「東福寺」駅前から東に向いています。
こうしてみても、2011年11月23日よりも人が少ないですね。

「東福寺」駅前から本町通を出て、南を向きました。
(北側は、第221回ブログ参照)
やはり、今年(2016年)は空いています。
(例年ですと、そもそも自動車が通れる余地がありません)
では、こちらを進んでいきます。

「東福寺」駅前から、本町通を約50m南下しました。
ここで本町通は九条通と交差するのですが、
この辺りの九条通は高架とその下の二つのルートに分かれます。

本町通をさらに南下して、九条通の高架下に来ました。
よく見ると、こちらに川のない橋があります。
実は九条通の下には、暗渠となったかつての川が流れています。
旧伏見街道(本町通)には第1橋から第4橋までありますが、
今も橋として機能しているのは、
第3橋と第125回ブログに出てきた第4橋だけです。
(第3橋は、今回ブログに出てきます)

九条通の高架をくぐり、左(東)を向きました。
この狭い1車線の道も、九条通です。
この先に第1日赤病院があって、その辺りが「東福寺」交差点です。
(第2回ブログのルートですね)

九条通から、本町通を南に向いています。
東福寺へは、こちらからも行くルートがあります。
と言いますか、ここから南東部一帯が東福寺なので
適当なところで左(東)にいけば、即東福寺です。
この先に、ネパール味のカレー屋さんが見えます。
昨年(2015年)できたところですので、
まだ行ったことがありません。

そのカレー屋さんの前で、本町通を南に向きました。
すぐ先に、「東福寺交番」が見えます。

「東福寺交番」の北側で、本町通から東を向いています。
こちらが、東福寺の北大門(重要文化財)です。
第15回ブログでは、ここから東福寺境内に入っていきました。

東福寺北大門の前で、本町通を南に向きました。
向こうのオレンジ色のテントは約20年前までお好み焼き屋さんで、
自分が高校生の頃によく通いました。
京阪電鉄の軌道がここから東に膨らむので、
本町通右(西)側の家屋の消えて代わりに線路がむき出しになります。
ここ以南の京阪電鉄の軌道は、
高架になってJR奈良線の軌道を乗り越えます。

その元お好み焼き屋さんの南側に、こちらの寺院があります。
こちらは浄土宗西山壇林寺派法性寺です。
元々は、藤原野忠平が建立した浄土信仰(天台宗)の寺院でした。
平安時代には京都を代表する広大な寺院でしたが、
鎌倉時代に衰退し遂には東福寺に寺領を奪われてしまいました。
つまり、元々東福寺の位置にはこの寺院がありました。
この写真も、クリックすれば拡大されます。

法性寺の前で、本町通を南に向きました。
ここからは右(西)側にも家屋が並びだします。
このダラダラした上り坂が、自転車のときは厳しいのです。
(今回は母と一緒なので、徒歩で移動しています)

法性寺から、本町通を南に約50m進みました。
こちらは、宮内庁による陵墓推定地です。
この奥にある塚が古代人の墳墓と考えられるのですが、
それが皇族のものである可能性が高いため
誰の墳墓かはっきりするまで
宮内庁がこの土地を買い取って維持管理しています。
この写真も、クリックすれば拡大されます。

さらに本町通を約100m南下しました。
ここに、一昨年(2014年)まで京都市立月輪小学校がありました。
第143回ブログのコメント内でその後を気にしていたのですが、
どうやら自分の母校京都市立日吉ヶ丘高校の一部になったようです。

その京都市立日吉ヶ丘高校月輪学舎の向かい(西)側に、
竹細工のガレージセールをしていました。
箸や箸置きなどの小物や、一輪挿しの花瓶などがありました。
ウチの母のお店にでも飾れるものがあればと思ったのですが、
ちょっと希望のものは売っていませんでした。
この写真も、クリックすれば拡大されます。

竹細工屋さんから、本町通を約50m南下しました。
こちらは、仕出し屋の木嶋さんです。
毎年この時期は、仕出し弁当や麩まんじゅうなどの販売で
かなり繁盛していましたが、
とうとうその右(北)隣に飲食店をオープンさせていました。
もっと時間的余裕があれば寄るのですが、
この後かなりあちこち回るので今回は入りません。
この写真も、クリックすれば拡大されます。

仕出し屋の木嶋さんの前で、本町通を約50m南下しました。
こちらが、先述の旧伏見街道第3橋です。

旧伏見街道第3橋の上で、西を向きました。
この橋は、本町通と交差する三ノ瀬川に架かります。
三ノ瀬川水源は御山(稲荷山)の薬力の滝で、(第371回ブログ参照)
そこから東福寺境内を東西に貫いて
ここから西に約200m先の琵琶湖疎水の下を通り抜けて
さらに西側の鴨川に流れ込んでいます。

今度は旧伏見街道第3橋の上で、東を向きました。
この先の東福寺境内で、三ノ瀬川上に
偃月橋・通天橋・臥雲橋の「東福寺3橋」が架かります。

旧伏見街道第3橋の上で、本町通を南に向いています。
東福寺に拝観される方はこれ以上南下されないので、
ここより南は人がだいぶ少なくなります。
ここをさらに南下すると、約150m先に東福寺南大門があります。
また、ここから約1㎞南下すると、伏見稲荷大社前に出ます。

旧伏見街道第3橋の南側で、本町通から東に向きました。
こちらは、重要文化財の東福寺中大門です。
東福寺境内に入る日下門は、この道の先にあります。
ここから先の写真は、全てクリックすると拡大されます。

本町通から、東福寺中大門をくぐり東に進んでいます。
門の脇に、こちらのお地蔵さんがいらっしゃいました。
そう言えば、東福寺の北大門と南大門の脇にもいらっしゃいます。
何か意味があるのでしょうね。

東福寺中大門をくぐり、東を向いています。
約150m先に、東福寺境内に入れる日下門が見えますね。
この道の右(南)側に、駐車場と臨時の駐輪場が並んでいます。

本町通から東に、約100m進みました。
本町通~東福寺日下門の間に、東福寺の塔頭寺院が並んでいます。
この道の南側に、その中の1寺があります。
こちらは臨済宗東福寺派芬陀院です。
今回ブログのメインですね。

先程の場所から、芬陀院の境内に入ってきました。
こちらの門を開けて、芬陀院の内部に入っていきます。

先程の扉を開けると、すぐに玄関があります。
そこで一人300円支払うと、中を拝観できます。
玄関前で南を向くと、こちらの部屋が続きます。
芬陀院は、ご本尊など仏像の一切が撮影不可です。
ただ、仏像以外は屋内でも撮影ができます。
あちこちの部屋が凝っていて、
それぞれ休憩などができるようになっています。

先程の位置から南に進み、東を向きました。
この廊下の左(北)側は仏間で、撮影不可です。
ただし、応接間は撮影が可能です。
柱に打ち付けられた板に「抹茶600円」と書かれていますが、
本当にその金額を拝観料と別に払えば、
その応接間で抹茶と茶菓子が頂けます。
右(南)側は縁側で、その先が石庭が造営されています。
ここのパンフレットに丸窓から見える石庭が写っていますが、
それはこの奥(東)にある茶室からの景色です。
本当はそちらも撮るつもりでしたが、
茶室内で中国人カップルが楽しそうに写真を撮っておられたので、
写真撮影はしていません。

その丸窓の先が、こちらの景色です。
(向こうの石付近が、丸窓から見えます)
こちらは、あまり人がいらっしゃりませんね。
先程の中国人カップルと、英語で少し話しました。
(自分の中国語は、延々会話できるレベルではないので)
日本の茶道に興味があるようで、ちょっと質問されました。

その後は、南側のメインの石庭に戻ってきました。
こちらが、芬陀院南側石庭の中央部分です。
左側の石が鶴が頭とは羽を伏した状態を表し、
右側は亀の甲羅を表しています。
合わせて「鶴石」「亀石」で、こちらを並べたのが雪舟です。
雪舟はこちらに住み着いていたのではなく、
こちらの住職に依頼されて石庭を造営しました。
(短期間ですが、石庭造営中はこちらに雪舟が居住したようですが)

こちらは、南側石庭の東側です。
白い寒椿が咲いていて、辺りに花弁が散らばっていますね。

石庭の西側には、便所があります。
そして、こちらがその前にある手水鉢(手洗い場)です。
こういうちょっとしたところに、ここの良さがありますね。

その手水鉢の前で、北を向きました。
では、ここから向こうの玄関を通って外に出ます。

そして靴を履いて、玄関の扉を開けました。
では、この先の石畳へと進みます。

その石畳で、北を向きました。
次は、向こうの道に出ます。

その道に戻り、芬陀院前から東を向きました。
約50m先に、東福寺の日下門が見えます。

芬陀院の向かい(北)側に土塀が続いていて、
そこにカエデ並木が続きます。
こちらを見ていると、紅葉もちょっと盛りが過ぎています。
昨年(2015年)と比べて、
今年(2016年)は極端に紅葉が早いことが分かります。

その土塀は、こちらの寺院のものです。
こちらも臨済宗東福寺派の1寺天得院です。
境内が「東福寺幼稚園」になっていて、
平日なら幼児の声がここから響いてきます。
(紅葉期間中は、ライトアップでも有名ですね)
また、こちらの名物が焼麩まんじゅうの屋台ですが、
それはこのずっと後の回のブログで紹介します。

天得院の前で、東を向きました。
こちらが、臨済宗東福寺派本山東福寺の日下門です。
次はこの中に入っていくのですが、
もうだいぶ写真を貼り付けたので、今回はここまでです。
~次回は、東福寺の通天橋と開山堂を散策します~