《ホームに戻る》
店名:中村軒 業種:和菓子匠
営業時間:午前7時半~午後6時 定休日:水曜日
オンラインショップ:あり 喫茶スペース:詳細後述
(オンラインショップへは、
ここをクリックしてください)
住所:西京区八条通桂大橋西詰桂浅原町61
(地図で確認されたい方は、
ここをクリックしてください)

京都駅北側市バスターミナルから、33系市バスか
私鉄バスの京都交通の普通バスに乗って、約30分。
八条通を西に進み桂川に架かる桂大橋も渡って、
「桂離宮前」バス停で降りました。
今回は、この近所に建つ和菓子匠に向かいます。
撮影日は、2020年8月14日金曜日でした。
自分は毎年お盆やお彼岸になると、こちらに立ち寄ります。

「桂離宮前」バス停から、南西に向きました。
左(南)側にガソリンスタンドが右(北)側に桂離宮の塀が見えますが、
200年ほど前まではこの辺を「下桂村」と呼んでいました。
(つまり、京都市街地の郊外に位置しました)
ですから、この辺りには今でも古民家が多く残されています。
ここを約800m南西に進みますと、阪急電車「桂」駅に出ます。

さらに「桂離宮前」バス停から、八条通を北東に向きました。
目の前で右(南)に伸びる路地が見えますが、
その先に中村軒の駐車場(自動車は府道123号線から入れます)と
中村軒店主の御子息が経営される「隆平そば」があります。
(「隆平そば」は、ミシュランの星付きの店です)
八条通の約50m先に、今回ブログのメイン中村軒が建っています。
さらにその東側に桂川が流れており、
八条通に「桂大橋西詰」と書かれた標識が立っています。

中村軒の店内に入ろうとしたのですが……
このような紙が貼られていました。
2020年8月現在店内の密集を避けるため、
中村軒の喫茶スペースは予約制になっていました。
予約のない時間帯は「一見さん」でも入れますが、
夏場にそれはほぼあり得ない状況です。
ただ先述の駐車場の一部で露店を開き、
かき氷などの販売をされています。
(ただし、飲食スペースはほとんどありません。
自動車の中か路上で食べるか、持ち帰るかです)

店内の下駄箱から、中村軒の室内に入れます。
元々はこの店の方々のプライべートスペースだったのでしょうが、
約30年前からこちらでお茶と和菓子、かき氷やあんみつ、
素麺やお茶漬けなどの軽食を出す茶店のようなことをされています。
100年以上昔の建築様式をしっかり守った家屋なので、
床の間があったり春には5段重ねのひな人形が飾られたりします。
この部屋の先には坪庭があって、その周囲にも部屋があります。
自分はいつも素麺セット(冬季にはにゅう麺セット)を注文し、
〆に葛切りを頂いていました。
ただ今回は予約をしていないので、ここより奥には入れません。

今回は中村軒の喫茶スペースに入れないので、
店頭で和菓子を買うだけにします。
取りあえず、中村軒商品ケースの右側を撮りました。
奥には、きんつばと六方焼が並んでいますね。
手前の水ようかんは、この箱に薄く1枚の状態で入っています。
確か、食べる際に切り分けるようになっています。
その脇にある「白むし」とは、単にもち米を蒸しただけのものです。
京都では、お盆の際に墓前に白むしを供えることがあります。

こちらは、先程の商品ケースの左側です。
奥には、一番の売れ筋商品の餡ときな粉の「おはぎ」が並びます。
手前の右側は、こちらの看板メニューの「麦代餅」です。
その左隣のお供え団子と「おけそくさん」も、
京都の伝統的な墓前の「お供え」です。
この時期の京都の和菓子匠では、
このように墓前や仏壇に供えるものが多く売られています。

さらに商品ケースの左側は、このようになっています。
手前の持ち帰り用あんみつはプラスチック容器に入っていますが、
通常なら茶店でガラス器に入った状態でも頂けます。
奥には、昆布のつくだ煮とウナギの山椒炊きも売られています。
中村軒は和菓子匠ですが、このような軽食も豊富にあります。
そもそも自分は、いつも茶店で素麺やお茶漬けを注文しています。

そして商品ケースの左端には、商品の代わりにこちらが並びます。
京都府知事発行の「京の老舗」店舗の認定書ですね。
京都府下では100年継続して営業していることが証明できれば、
京都府知事から「老舗店」として認定を受けることができます。
どちらかと言えば、大企業よりも個人企業対象ですね。
京都では「老舗」が濫立するので、これが一定の目安になります。
このブログで紹介したお店でも、他に
甘春堂が認定されています。

八条通の反対(北)側歩道から、中村軒の店頭を撮りました。
撮影日は、2020年8月14日金曜日のお盆でした。
遠方からの方々には中村軒は茶店のイメージが濃いと思いますが、
少なくとも自分にはお供え用の和菓子を買う店というイメージです。
京都人の和菓子はお墓や仏壇に供えるときに買い求めるものです。
ですから、中村軒はお盆やお彼岸にいつも以上に賑わいます。

ですから2020年8月14日金曜日(つまり、お盆)に来店したのも、
亡き父の墓前に供えるものを購入するためでした。
阪急電車「桂」駅前から出発する定期便のバスに乗って、
京都府亀岡市との市境に近い
京都霊園にやって来ました。
その一角に、ウチの父のお墓があります。
(個人情報秘匿のため、周囲が写らないように撮っています)
その墓前に、中村軒で購入したものを供えます。

先程の包装紙を取ると、中から「おけそくさん」が出てきました。
要するに、搗きたてのお餅です。
強く握れば変形する程度には、まだ柔らかいお餅です。

うちの父のお墓にお参りする前に、
「おけそくさん」をきちんと並べます……
と言いたいところですが……
元来「おけそくさん」は縦に3つ並べるものです。
(燈籠のような形状になります)
ところが5つと言う中途半端な数を購入したので、
どうしても上手く並べられません。
仕方がないので、この形状に並べて父へのお墓参りを済ませました。

うちの父のお墓から定期バスのバス停へ向かう途中、
京都霊園内の休憩所に立ち寄りました。
広大な京都霊園内には、何ヵ所か休憩所が作られています。
エアコン完備なのは、参拝者の熱中症予防を考慮してでしょうね。
例年ですと、こちらにはやかんと湯呑がいくつか置かれています。
そこで勝手に湯呑に冷茶を注いで飲めるわけですが、
ご時世がご時世だけに、やかんと湯呑の代わりに
殺菌用アルコールジェルと冷蔵庫が置かれていました。

その冷蔵庫を開けて、冷気が逃げないうちに慌てて中を撮りました。
ペットボトルのお茶と、冷却用の枕が置かれていました。
やはり枕は、熱中症対策でしょうね。
(この日の京都市の最高気温は、39℃でした……)
こちらは、常識の範囲内で無料で利用できます。

では持参した紙コップにお茶を入れて、
この休憩所内でお下がりの「おけそくさん」を頂きます。
このように慌てて食べるのは、固くなってから焼き餅よりも
自分は柔らかい状態のお餅の方が好物だからです。
柔らかい状態を堪能するためには、
少しでも早く頂かなければなりません。

……とは言え実際にこの場で頂いたのは、この一つだけです。
(いくら好物でも、5つ全部はちょっと厳しいので……)
焼餅なら砂糖醤油とか浸してから焼くのですが、
生餅は調味料は一切要りません。
変に何もつけないほうが、お餅由来の甘味を堪能できます。
特にこちらは、中村軒の「おけそくさん」ですし……

京都霊園内のバス停から定期便の橋に乗り、
阪急電車「桂」駅前まで戻った後、
八条通を徒歩で中村軒まで戻りました。
そして、今度はこちらを購入しました。
自宅に帰宅後、撮影しています。

先程写した袋から、この箱を取り出しました。
中村軒の店頭を描いたイラストが、
この店のロゴのように使われていますね。
今度は、ウチの仏壇に供える用の和菓子を買いました。

そして、その箱を開けました。
左側は、きな粉とつぶ餡の「おはぎ」です。
中村軒で、いちばん売れている商品ですね。
右側は、中村軒の看板商品「麦代餅」(むぎてもち)です。

こちらが、つぶ餡ときな粉の「おはぎ」です。
優しい甘さが心地よいつぶ餡の「おはぎ」もおいしいですが、
よりもち米の甘味と旨味を堪能できる
きな粉の「おはぎ」が自分のお気に入りです。
では、こちらをウチの仏壇に供えてきます。

さらに、こちらが中村軒看板商品の麦代餅(むぎてもち)です。
「美味しく撮ってくださいね」
ブログ撮影許可を取った際に店員さんがおしゃっていたのですが、
トッピングのきな粉が崩れてこんな写真になりました……
開業当初の明治時代初期、中村軒の近くに住む下桂村の農民は
一掴みの麦を代金にしてこちらの麦代餅を買い求めていました。
それが「麦代餅」の由来ですので、
決して餅の中に麦が入っているわけではありません。
では、こちらの仏壇にお供えします。

さて、この中村軒の店舗ですが……
写真の通り2020年10月1日~2021年3月末日まで
改装工事のため閉鎖されます。
その間は先述の駐車場前で仮店舗で営業されます。
ただし、そちらに茶店はありません。

中村軒の店舗改装工事中は、茶店は京都市上京区北野に移転します。
今出川通沿い「北野天満宮前」交差点と「上七軒」交差点の間です。
北野天満宮や花街上七軒を訪れた際は、立ち寄れますね。
~2022年3月27日追記~

2022年3月20日日曜日に、春のお彼岸と言うことで
墓前にお供え物を捧げるために中村軒に再訪しました。
無事改装を終えて、店内で飲食が可能でした。

改装されて中村軒店内の導線が変わっていました。
店内飲食をする際は、店員さんにそう告げて奥に入ります。
座敷席もありますが、基本土足で移動するようになりました。

土足で移動するのですが、壁際の様子は以前と同じです。
時期的に、床の間の掛け軸も雛祭りですね。

さらに3月中は、毎年雛壇が飾られます。
お内裏様とお雛さま、三人官女に五人囃子が並びます。

結局、床の間の脇の席に就きました。
では、ここで注文したものが来るまで待ちます。

席に就いてから、約10分経ちました。
ここで注文していた「にゅう麺セット」がやって来ました。
これで、1280円です。
中村軒は抹茶スイーツで名を馳せたお店ですが、
こちらの名物はこのような軽食メニューです。
ちなみに、中村軒は「うなぎ茶漬け」も名物です。

にゅう麺セットには、にゅう麺に赤飯が付きます。
昆布の佃煮も、こちらで売られています。
(中村軒は、和菓子以外も売られています)

そして、こちらが中村軒のにゅう麺です。
要するに、温かい素麺ですね。
こちらは毎年4月~10月は素麺に変わります。
合わせ出汁ベースのスープに煮込んだシイタケ・湯葉・温泉卵・
三つ葉・紅葉麩が入っていますね。

約30分かけて、こちらを戴きました。
ただこれで帰宅ではなく、もう1品頼みました。

さらに約10分経つと、こちらがやって来ました。
中村軒の代名詞ともいえる「麦代餅」(300円)ですね。
このように、店内でも戴くことができます。

麦代餅を大写しにしました。
通常の和菓子より倍の大きさなので、結構満腹になります。

上手く切れませんでしたが、麦代餅の断面図です。
一見求肥で巻かれているようですが、
こちらはもち米を搗いたお餅です。
ですから、もち米独特の食感が残ります。

さらに帰宅時にこのおはぎを買って、亡父の墓前に捧げました。
餡で巻いたものも、黄な粉の方も、どちらも210円です。
お墓参りの帰りに、こちらも戴きました。
もち米独特の食感が、こちらの特徴です。
「京とお店 今日のお品」カテゴリーに
進みたい方は、
ここをクリックしてください。さまざまなお店の検索が、可能です。
続きを読む
テーマ : 京都道案内
ジャンル : 地域情報