第315回 島原散策 後編~千本通南から北~その3

前回ブログの最後の写真から、反対(西)に向きました。
大門通から花屋町通を西に向いたところに、
京都市指定有形文化財「島原大門」があります。
今回はここを西に進み花街「島原」を散策した後、
千本通経由でJR嵯峨野線「丹波口」駅を目指します。
撮影日は、2015年5月21日木曜日午後4時。
ちなみに、この写真はクリックすれば拡大されます。

「島原大門」をくぐり、花屋町通から西を向いています。
石畳の道が整然と並んでいますが、
もう「島原」は花街としては機能していません。
ただ、様々な史蹟がたくさん残っており、
さらに多くの置屋や揚屋も外観を残して商店になっており、
京都の中でも屈指の散策ポイントと言えます。
今回は、前回ブログで回りきれなかったところを散策します。

「島原大門」から花屋町通を西に、約30m進みました。
ここは、坊城通との辻です。
その辻の南東角の京町家に、大工さんが入っています。
外観を残して、中を飲食店などにするようです。
京都市街地全般でよく見かけるのですが、
この島原で特に多く見かける光景です。

花屋町通から、坊城通を北に向いています。
ここをずっと進むと、(京都産業大学付属高校を回り込めば)
約700m先に壬生寺があります。
ここから電柱の3本先(約100m先)に日蓮宗法華寺があって、
その向かいにかつての島原歌舞練場跡があります。
稲荷神社のある大楠も健在でしたが、今回は寄りませんでした。

こちらは、先ほどの写真でも写っていた
「坊城通花屋町上がる」にある京町家です。
「輪違屋」という島原屈指の置屋です。
太夫や芸妓さんの派遣会社ですね。
(舞妓さん・芸妓さん・太夫さんは、皆「置屋」に所属します)
ちなみに、現在この置屋に所属する太夫さんは4人です。
京都市有形文化財に指定されていますが、非公開です。
この写真はクリックすると拡大されます。

坊城通から、花屋町通を西に向いています。
この辺りから、この花屋町通にも京町家が建ち並びます。

坊城通の西側に、「誠の湯」があります。
こちらは「松栄」というホテルなのですが、
施設の一部をスーパー銭湯として開放しています。

「誠の湯」西側は駐車場で、さらに西側は四辻です。
その辻の南西角に、古い京町家が見えますね。

こちらがその京町家です。
どうも旅館だったようで、「錦清」と看板も出ていました。
ただ、目の前の黒板に「cafe&bar Kinse」とも書いてあります。
ちょっとこちらに寄ってみました。
扉を開けると中は暗く、一見すると閉店しているように見えます。
それを無理やり入ると、中に人がいて実は開店していました。
(閉まっていると思っても、中に入る方がいいようです)
中が暗いのはここがバーだからですが、
紅茶やケーキなどの喫茶メニューも充実しています。
洋酒がしっかり効いたシフォンケーキが絶品でした。
その器も、切子細工のガラス皿を使用していました。
内装も恐らく大正時代くらいのままで、
窓にはステンドグラスが貼られており、
閑院宮載仁親王の書画も飾ってありました。
この写真は、クリックすると拡大されます。

「誠の湯」の駐車場と「kinse」にはさまれた短い道には
特に名称はありません。
花屋町通から、その道を北に向いています。
その向こうに、銭湯が見えますね。

こちらがその銭湯「島原温泉」です。
花街の銭湯は「当たり」が多いので、ちょっと寄ってみました。
(さすがに、中の写真はありません)
浴室は基本的にタイル地ですが、所々に岩を配し
特に男湯と女湯の仕切りの上部は屋根瓦で装飾されていました。
脱衣所の壁一面に貼られた芸妓さんの団扇が
如何にも「花街の銭湯」という感じです。
規模は小さいですが、船岡温泉とイメージが似ています。

島原温泉から出て、南に向いています。
花屋町通に戻るまでに、京町家があります。
この日(2015年5月21日木曜日)は定休日でしたが、
2015年5月31日日曜日に再訪したときは開いていました。
こちらは、「Hygge」という町家カフェです。
「町家カフェ」とは京町家を利用した喫茶店のことです。
前述の「kinse」は旅館を基にしていましたが、
こちらは京町家の民家を改装しています。
手前の土間に調理場と客席が置かれる構造で、
そこは第247回ブログのplangipaniと同じ内装です。
「島原温泉」の帰りに寄るのにちょうどいいので、
これからもたびたび利用しようと思います。
紅茶も充実していましたが、ここでは凍頂烏龍茶を頂きました。
最近京都で中国茶を出すお店が激減しているので、
個人的には大助かりです。
ただ、ウバ茶のミルクティーも一度試してみたいですね。
~2015年8月2日追記~
2015年8月24日午後7時から午後9時まで
「Hygge」で、島原の置屋輪違屋の桜木大夫がイベントを行います。
島原の大夫が旦那さんに行う「かしの式」を行ったり、
直接太夫さんとお話ができたりします。
詳細は、この後の追記を参照。

また花屋町通に戻り、西を向きました。
「kinse」の向い(北)側に、白い家屋があります。
こちらは製本所です。

その製本所の前に、こちらがありました。
ここで和紙を売っているようです。
na-ohさんのブログでも出てきましたね。

「kinse」と製本所の前から、花屋町通を西に向いています。
この辺りから京町家の割合が増えてきます。
それらは民家も多いのですが、
旅館を経営しているところも多くなります。
花屋町通は、約100m先でいったん突き当ります。
この写真も、クリックすれば拡大されます。

先ほどの場所から約100m西に進み、南を向きました。
右(西)側の建物が、角屋です。
ここは今は歴史博物館になっているのですが、
この時点で午後5時、前回ブログで立ち寄ったのも午後3時半。
閉館時間近くだったので、今回ブログでは寄りませんでした。
この写真も、クリックすれば拡大されます。

先程と同じ地点で、花屋町通を西に向きました。
角屋の屋根の上から見えるJR嵯峨野線の高架辺りに、
千本通が並行しています。
この写真も、クリックすれば拡大されます。

花屋町通を西に突き当りました。
花屋町通は、ここでいったん途切れて新千本通で復活します。
写真は、「東鴻臚館」跡の石碑です。
前回ブログでも、登場しました。

「東鴻臚館」跡石碑の前で、北を向きました。
千本通に戻るには、こちらの道を進まなければなりません。

先ほどの場所から、北に約50m進みました。
ここで西に道があって、約10m先の千本通に突き当ります。
左(西)側に小さな神社が見えますが、
そちらが前回ブログで立ち寄った島原住吉神社です。

先ほどの道から約20m西に進み、千本通で北を向きました。
右(東)側に、島原住吉神社が見えますね。
左(西)側にJR嵯峨野線の高架が見えますが、
ちょうど京都行きの電車が通り過ぎていきました。

島原住吉神社の鳥居前から、北に約50m進みました。
こちらは京都でも古参のちゃんこ料理屋ですが、
撮影日(2015年5月21日木曜日)は定休日でした。
そのちゃんこ屋さんの向こう(東)側に、大きな銀杏が見えますね。

こちらが、その大銀杏の根許です。
この木までが江戸時代は島原住吉神社でしたが、
小さくなったために神社の境外になってしましました。

大銀杏の根許は、今では独立した神社になっています。
こちらは、その神社の末社に当たる祠です。
どちらの神様が祀られているかは、分かりません。
この写真は、クリックすると拡大されます。

そして、こちらが大銀杏根許にいらっしゃった弁財天です。
小さいながらも、本殿ということになりますね。
こちらも、クリックすれば拡大されます。

その境内に、こちらのネズミがいました。
小さくてかわいいのですが、やせ細ってたぶん失明していました。
まぁ賛否あるでしょうが、
食べ物だけ置いてここを立ち去りました。

大銀杏の前から、西を向いています。
では、JR嵯峨野線高架下を並走している千本通に向かいます。

千本通に戻り、北を向きました。
ここからは、千本通の右(東)側も京都中央卸売市場の施設です。

先ほどの写真で、トラックが出てきた所を撮りました。
こちらは、京都中央卸売市場青果1号棟です。
野菜とかの卸売りが行われるところですね。
この時点で午後5時半ですから、
中に人がいらっしゃる形跡はありません。
12時間ほどしたら、状況は一変するのでしょうね。

京都中央卸売市場青果1号棟の前から、西を向いています。
JR嵯峨野線の高架下から、
京都中央卸売市場3号棟越しに新千本通が見えます。
ただ規制線が張られており、関係車両以外は通り抜けできません。

この辺りに、こちらの看板が立て掛けられていました。
もう、卸売市場の中ですね。

千本通をさらに北に進んでいます。
千本通の両側に京都中央卸売市場の施設が並んでいます。

大銀杏の前から千本通を北に約200m進み、
中堂寺通を東を向きました。
右(南側の建物が京都中央卸売市場青果3号棟で、
奥の茂みが中堂寺児童公園です。
本当は児童がたくさんいたのですが、その写真はありません。

中堂寺通から、千本通を北に向いています。
右(東)に、京都中央卸売市場の駐車場が見えます。
左(西)側のJR嵯峨野線の上に、「丹波口」駅のホームが見えます。
約70m先に赤いマンションが見えますが、
その向こうが五条通ですね。

先ほどの地点から約70m進み、五条通に着きました。
京都市街地でも一番広い道幅の通りですね。

千本通から、五条通を東に向きました。
堀川通より西は、五条通もオフィスビル街ではなくなります。
そう言えばこの自転車屋さんですが、
この間まで本屋さんだったような気がするのですが……

五条通から、千本通を北に向きました。
ここからまた北に進む予定ですが、それは次回以降にします。

そして、千本通から五条通を西に向きました。
交差点の横断歩道を渡ったところに、
JR嵯峨野線「丹波口」駅があります。
五条通は京都中央卸売市場最北端の通りでもあり、
この駅も卸売市場や島原からの乗車が多いようです。
では、今回はここから京都駅に戻ります。
~次回は、壬生に向かいます~
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