第853回 伯牙山と月鉾~祇園祭前祭宵山散策~その9
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前回ブログで訪れた船鉾を背に、新町通を北に向いています。
今回はこのまま新町通を北上した後四条通を西に進み、
伯牙山と月鉾にお邪魔します。
撮影日は2022年7月14日午後5時半。
これで前祭に立つ四条通以北の山鉾は、すべて訪れました。

船鉾から、新町通を約50m北上しています。
左(西)側にワイン専門の飲食店が、露店を出していました。
2022年祇園祭前祭宵山では、自分の取材日の翌日
2022年7月15日から露天商の屋台が出ていましたが、
この日(2022年7月14日)は飲食店の屋台が目立ちました。
その北側で、新町通は綾小路と交差します。

新町通から、綾小路を西に向いています。
では、向こうに見える山へ向かいます。

新町通から、綾小路を約50m西に進みました。
こちらに、伯牙山が立っています。

伯牙山の右(北)側に京町家が建ち並んでいるように見えますが、
実は大きな1軒の京町家です。
伯牙山の会所は、重要文化財の杉本家邸宅です。

伯牙山と杉本家住宅の間で、綾小路を西に向きました。
約100m先に、第850回ブログの芦刈山が立っています。

こちらが、伯牙山の会所重要文化財の杉本家邸宅です。
かつて「奈良屋」という呉服問屋でした。
では緑色の垂れ幕をくぐり、伯牙山会所に入っていきます。

杉本家住宅の一部を使用して、伯牙山会所になっています。
伯牙山は、謡曲「伯牙」から、取材されています。
大昔の中国に、伯牙という箏の名人がいました。
伯牙には同じ箏奏者の親友がいて、
いつも一緒に箏を演奏して楽しんでいました。
ところが伯牙も年を取り、やがて親友も亡くなってしまいました。
親友の死に悲しんだ伯牙は、
遂に愛用の箏を斧で叩き割り、二度と演奏しなくなりました。
……と言う物語です。
今の日本人には馴染みありませんが、
室町時代の京都人なら誰でも知っている有名な物語でした。
また中国人の伯牙をモチーフにしているので、
伯牙山の装飾品は中国風のもので統一されています。

こちらが、ご神体の伯牙の神像です。
斧で箏を叩き割る寸前の苦悶の表情をしているのですが……
撮影に失敗して、こんな写真になりました。

こちらが、伯牙愛用の箏です。
伯牙山は、この箏の前で伯牙が斧を構える姿を描いています。

伯牙山の装飾品を見ています。
上部の水引が、新調されていますね。
ただし、テーマの関係上中国の子供を描いています。

そして、伯牙山の会所にも檜扇(ひおうぎ)です。
祇園祭を象徴する花ですね。
杉本家邸宅の奥にも、檜扇が飾ってあるはずです。

伯牙山会所を出て、綾小路を東を向いています。
毎年祇園祭中は伯牙山会所の東側から杉本家邸宅に入れるのですが、
2022年7月14日は門が閉まっていては入れませんでした。
どうやら、2022年は7月15日から公開のようです。

こちらは、ほぼ同じ構図の2018年7月15日の写真です。
この年は1,000円支払って、杉本家邸宅内を拝観しました。
(第580回ブログ参照)

重要文化財である杉本家邸宅は、屋内撮影禁止です。
ただし施設内で売られているはがきは、
ブログなどに掲載が許されています。
(毎年杉本家の方に確認しています)
こちらは、2018年に自分が購入したはがきを載せました。
2018年でいちばん印象に残ったのは、
この菊花の金屏風とその脇に生けられた棕櫚の木でした。
(棕櫚の木が、生け花みたいに生けられていました)
また、杉本家邸宅にはエアコンが付いていません。
(まぁ、重要文化財ですから……)
ですから氷柱に扇風機をかけて、涼を摂ります。
その氷柱は小さくなると、もっと小さく砕かれて
拝観者に振舞われます。
(甲子園の「かち割氷」みたいでした)
2018年7月15日の写真は、ここまでです。

ここから、2022年7月14日の写真に戻ります。
伯牙山から、綾小路を東に向いています。
では、こちらを新町通まで戻ります。

伯牙山から、綾小路を約50m東に進みました。
ここで綾小路は、新町通と交差します。
約50m先に綾傘鉾(綾小路傘鉾)が立っていますが、
そちらには、次回ブログで立ち寄ります。

綾小路から、新町通を北に向いています。
ここから大船鉾が立つ下京区四条町なのですが、
こちらに山鉾が立っていません。
大船鉾は後祭に立つ鉾なので、2022年7月14日は平常運転です。

綾小路から、新町通を北上しています。
大船鉾は立っていないのですが、大船鉾の会所は開いていました。
こちらで、大船鉾の粽(ちまき)や手拭いが売られています。

綾小路から、新町通を約100m北上しました。
ここで新町通は、四条通と交差します。
約50m先に、第848回ブログで訪れた放下鉾が見えます。
第849回ブログでは目の前の「四条新町」交差点から西に移動して、
郭巨山などを回りました。
つまり、これで新町通以西の前祭の山鉾はすべて見ました。

新町通から、四条通を東に向いています。
目の前に、月鉾が立っています。

同じ位置で見上げて、月鉾の「鉾」を写しました。
「月」鉾だけに、鉾先は「三日月」型です。
ちなみに、月鉾が祇園祭最大の山鉾です。

新町通から、四条通を東に進んでいます。
目の前に、月鉾が迫ってきました。

月鉾の手前に、白いテントが立っています。
こちらで、月鉾の粽(ちまき)や手拭いが売られています。

さらに、四条通を東に進みました。
右(南)側が、月鉾の会所です。
ここから先に入ると月鉾の上に登れるのですが、
こちらは拝観料を払わない代わりに、
月鉾の粽や手拭いなどを買わなければいけません。

2018年7月15日に、月鉾でこの手拭いを買いました。
確か、1,000円だったと思います。
こちらを購入したので、この後月鉾の上に登りました。
ただ月鉾の上は、写真撮影が禁止です。
そのため、月鉾の上の写真はありません。
何しろ祇園祭最大の山鉾ですから、
他の山鉾よりも高いところまで登りました。
その割には、鉾上部は狭かった印象がありました。
とても高かったので、高所恐怖症の自分には厳しかったです。
天井画など装飾品がとても立派だったのですが、
写真がないのでその辺は上手く説明できません。
(第850回ブログ参照)

月鉾の会所から、四条通を東に向いています。
こちらの白いテントでも、粽や手拭いが売られています。

月鉾から、四条通を東に進んでいます。
目の前に、第846回ブログでお邪魔した函谷鉾が見えますね。

月鉾から、四条通を東に約50m進みました。
ここで四条通は、室町通と交差します。
これで四条通以北の山鉾は、すべて回りました。
あとは室町通近くの3基の山鉾と、保昌山が残っています。
ただ、もうだいぶ写真を貼り付けました。
今回は、ここまでです。
~次回は、鶏鉾と綾傘鉾を散策します~