第987回 北観音山の辻回し~祇園祭後祭山鉾巡行~その5
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前回ブログで「四条河原町」交差点で辻回しを展開して
四条通を西に進んだ鯉山の後に、
その鯉山の町衆が運ぶ長持(荷物入れ)が続きます。
ところがその鯉山の長持が「四条河原町」交差点を通過する前に、
次の山の町衆がもう「四条河原町」交差点に進入しています。
その町衆が竹竿を担がれているので、
この直後に大規模な辻回しが始まることが分かります。
後祭の山鉾巡行には通常型の「鉾」は巡行しませんので、
次は曳山であることが分かります。
今回は、この曳山の辻回しを中心に掲載します。
撮影日は、2023年7月24日月曜日午前11時。
2023年の祇園祭は、日々快晴でした。

町衆の皆さんが竹竿を鶴翼と言いますか、
コの字型に並べられる間に、
「北観音山」と書かれた幟を掲げられた方が行進します。
この方は竹竿を並べられる方々の脇をすり抜けて、
そのまま四条通を西に向かわれました。

「四条河原町」交差点では、北観音山の町衆の皆さんが
竹竿を並べ続けておられます。
手際が良いのは熟練の技なのですが、
的確に指示される方がいらして、さらに手早く作業が進みます。
曳山はこの竹竿の上に停止するので、
その曳山が交差点に入る前に竹竿を並べ終えると、
辻回しを手早く進めます。

そうこうしているうちに、白い法被姿の方々が
河原町通を南下して「四条河原町」交差点に進入されました。
こちらの方々は、北観音山の曳手の皆さんです。
約30人でここまで
北観音山に取り付けられた綱を引っ張って来られました。

そして、北観音山が河原町通を南下して
「四条河原町」交差点に登場です。
通常の鉾は天頂部に槍の一種である「鉾」が付きますが、
こちらは「山」ですから松の木が1本立ちます。
さらに北観音山には、山の背後に柳の木が付随しています。
南観音山同様に基部に楊柳観音がいらして、
柳の木は楊柳観音の象徴です。
北観音山は南観音山ととても似ていますが、
その山町も蛸薬師通を挟んで隣同士です。
北観音山と南観音山の町衆はとても仲が良く、
そのため南観音山は前祭の区域に属しているにも拘わらず、
北観音山同様後祭に参加しています。

北観音山が、「四条河原町」交差点の中央で停止します。
その際、北観音山の車輪が竹竿に乗っかっているのがポイントです。
北観音山に乗られた音頭取りの皆さんが持つ
横笛、太鼓、銅鑼が、この間も祇園囃子を演奏され続けます。

とは言え、これですぐには北観音山の辻回しは始まりません。
竹竿に大量の水を撒いて滑りをよくする必要がありますし、
曳手の皆さんが移動する必要もあります。

「四条河原町」交差点より南側の河原町通にいらした
北観音山の曳手の皆さんが、
綱を担がれた状態で「四条河原町」交差点に戻られます。
北観音山は、「四条河原町」交差点から四条通を西に進まれます。

北観音山の曳手の皆さんが、四条通の西側に移動されました。
北観音山は曳手の皆さんから西側へ引っ張られることで、
北観音山は方向転換されます。
これを「辻回し」と言いますが、
手際が良いと20分くらいで終わります。

続いて曳手の皆さんの綱が北観音山の車輪に巻き付けられ、
曳山の巡行を指揮される音頭取りが4人に増えます。
これで、北観音山の辻回しの準備が完了です。

4人の音頭取りの皆さんが、扇を下にされます。
そして、掛け声が変わります。
「よ~い、よ~いとな、よ~いとせ」

北観音山の曳手の皆さんが、北観音山を西側から引っ張られます。
すると北観音山が竹竿の上を滑り、西へと方向転換します。

とは言え、一気に90°方向転換はしません。
大きく方向転換すると、曳山は転倒します。
ですから、30°ずつ3回に分けて辻回しを行います。

ですからここで北観音山の周囲に広がる竹竿を並び直されて、
また水を撒き直される必要があります。
ただ町衆の皆さんの手際が良くて、
それらの作業もすぐに終わってしまいます。

すぐに作業が終わったことで、すぐに次の辻回しが始まります。
ここでまた、音頭取りの皆さんが扇を下にして掛け声を出されます。

「よ~い、よ~いとな、よ~いとせ」
音頭取りの皆さんの掛け声とともに、
北観音山の曳手の皆さんが四条通の西側から
いた観音山を引っ張られました。
すると、北観音山がまた西側に方向転換します。

北観音山が竹竿の上を滑り、さらに西に30°方向転換されます。
これで約60°北観音山が方向転換しました。

ここで、また竹竿を並べ直されます。
今度は1回目の辻回しより場所が遠いので、
竹竿の位置も遠くなります。
そのため、今回の竹竿並べはちょっと時間がかかります。

北観音山の底部を大写ししました。
2回目の辻回しを終え、さらに西へと竹竿を足されています。
また竹竿の一部は、北観音山の底部に戻されています。
よく見ると、水を撒かれた跡が路上に残っています。

それでも、数分で竹竿を並び直されました。
ここからまた音頭取りの皆さんの掛け声とともに、
辻回しが始まります。

「よ~い、よ~いとな、よ~いとせ」
音頭取りの皆さんの掛け声とともに、
北観音山が竹竿の上を滑ります。
これで北観音山は、さらに30°西に方向転換しました。

北観音山が、完全に西に向いています。
これで北観音山の「辻回し」は終了ですが、
すぐに出発できるわけではありません。
周囲の竹竿を曳山の底部に収納しないといけません。
この竹竿は各曳山が用意して、
各曳山が持って帰ります。
他の鉾や曳山と、共用されることはありません。

北観音山の底部を大写ししました。
そこには布が張ってあって、木製の部分とその布のたるみの間に
数十本の竹竿を収納できるスペースがあります。
北観音山の町衆の皆さんは、そちらに竹竿を収納されています。
これは、竹竿を使って辻回しを行うすべての山鉾に共通します。

町衆の皆さんが、北観音山に竹座を収納し終えたられたようです。
通常通り音頭取りが2人となり、
大きく扇子を手前に振りかざされます。
「え~いやらや~」

音頭取りの皆さんの掛け声とともに、
北観音山の曳手の皆さんが「四条河原町」交差点から、
綱で北観音山を西に引っ張られます。
すると、北観音山が四条通を西に進みました。

北観音山が四条通を西に進み、
「四条河原町」交差点から去っていきます。
ここから残りの担ぎ山3期と、鷹山、大船鉾と続きますが、
ここでちょうど切りがいいので、今回はここまでです。
~次回は、黒主山、役行者山と続きます~
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四条通を西に進んだ鯉山の後に、
その鯉山の町衆が運ぶ長持(荷物入れ)が続きます。
ところがその鯉山の長持が「四条河原町」交差点を通過する前に、
次の山の町衆がもう「四条河原町」交差点に進入しています。
その町衆が竹竿を担がれているので、
この直後に大規模な辻回しが始まることが分かります。
後祭の山鉾巡行には通常型の「鉾」は巡行しませんので、
次は曳山であることが分かります。
今回は、この曳山の辻回しを中心に掲載します。
撮影日は、2023年7月24日月曜日午前11時。
2023年の祇園祭は、日々快晴でした。

町衆の皆さんが竹竿を鶴翼と言いますか、
コの字型に並べられる間に、
「北観音山」と書かれた幟を掲げられた方が行進します。
この方は竹竿を並べられる方々の脇をすり抜けて、
そのまま四条通を西に向かわれました。

「四条河原町」交差点では、北観音山の町衆の皆さんが
竹竿を並べ続けておられます。
手際が良いのは熟練の技なのですが、
的確に指示される方がいらして、さらに手早く作業が進みます。
曳山はこの竹竿の上に停止するので、
その曳山が交差点に入る前に竹竿を並べ終えると、
辻回しを手早く進めます。

そうこうしているうちに、白い法被姿の方々が
河原町通を南下して「四条河原町」交差点に進入されました。
こちらの方々は、北観音山の曳手の皆さんです。
約30人でここまで
北観音山に取り付けられた綱を引っ張って来られました。

そして、北観音山が河原町通を南下して
「四条河原町」交差点に登場です。
通常の鉾は天頂部に槍の一種である「鉾」が付きますが、
こちらは「山」ですから松の木が1本立ちます。
さらに北観音山には、山の背後に柳の木が付随しています。
南観音山同様に基部に楊柳観音がいらして、
柳の木は楊柳観音の象徴です。
北観音山は南観音山ととても似ていますが、
その山町も蛸薬師通を挟んで隣同士です。
北観音山と南観音山の町衆はとても仲が良く、
そのため南観音山は前祭の区域に属しているにも拘わらず、
北観音山同様後祭に参加しています。

北観音山が、「四条河原町」交差点の中央で停止します。
その際、北観音山の車輪が竹竿に乗っかっているのがポイントです。
北観音山に乗られた音頭取りの皆さんが持つ
横笛、太鼓、銅鑼が、この間も祇園囃子を演奏され続けます。

とは言え、これですぐには北観音山の辻回しは始まりません。
竹竿に大量の水を撒いて滑りをよくする必要がありますし、
曳手の皆さんが移動する必要もあります。

「四条河原町」交差点より南側の河原町通にいらした
北観音山の曳手の皆さんが、
綱を担がれた状態で「四条河原町」交差点に戻られます。
北観音山は、「四条河原町」交差点から四条通を西に進まれます。

北観音山の曳手の皆さんが、四条通の西側に移動されました。
北観音山は曳手の皆さんから西側へ引っ張られることで、
北観音山は方向転換されます。
これを「辻回し」と言いますが、
手際が良いと20分くらいで終わります。

続いて曳手の皆さんの綱が北観音山の車輪に巻き付けられ、
曳山の巡行を指揮される音頭取りが4人に増えます。
これで、北観音山の辻回しの準備が完了です。

4人の音頭取りの皆さんが、扇を下にされます。
そして、掛け声が変わります。
「よ~い、よ~いとな、よ~いとせ」

北観音山の曳手の皆さんが、北観音山を西側から引っ張られます。
すると北観音山が竹竿の上を滑り、西へと方向転換します。

とは言え、一気に90°方向転換はしません。
大きく方向転換すると、曳山は転倒します。
ですから、30°ずつ3回に分けて辻回しを行います。

ですからここで北観音山の周囲に広がる竹竿を並び直されて、
また水を撒き直される必要があります。
ただ町衆の皆さんの手際が良くて、
それらの作業もすぐに終わってしまいます。

すぐに作業が終わったことで、すぐに次の辻回しが始まります。
ここでまた、音頭取りの皆さんが扇を下にして掛け声を出されます。

「よ~い、よ~いとな、よ~いとせ」
音頭取りの皆さんの掛け声とともに、
北観音山の曳手の皆さんが四条通の西側から
いた観音山を引っ張られました。
すると、北観音山がまた西側に方向転換します。

北観音山が竹竿の上を滑り、さらに西に30°方向転換されます。
これで約60°北観音山が方向転換しました。

ここで、また竹竿を並べ直されます。
今度は1回目の辻回しより場所が遠いので、
竹竿の位置も遠くなります。
そのため、今回の竹竿並べはちょっと時間がかかります。

北観音山の底部を大写ししました。
2回目の辻回しを終え、さらに西へと竹竿を足されています。
また竹竿の一部は、北観音山の底部に戻されています。
よく見ると、水を撒かれた跡が路上に残っています。

それでも、数分で竹竿を並び直されました。
ここからまた音頭取りの皆さんの掛け声とともに、
辻回しが始まります。

「よ~い、よ~いとな、よ~いとせ」
音頭取りの皆さんの掛け声とともに、
北観音山が竹竿の上を滑ります。
これで北観音山は、さらに30°西に方向転換しました。

北観音山が、完全に西に向いています。
これで北観音山の「辻回し」は終了ですが、
すぐに出発できるわけではありません。
周囲の竹竿を曳山の底部に収納しないといけません。
この竹竿は各曳山が用意して、
各曳山が持って帰ります。
他の鉾や曳山と、共用されることはありません。

北観音山の底部を大写ししました。
そこには布が張ってあって、木製の部分とその布のたるみの間に
数十本の竹竿を収納できるスペースがあります。
北観音山の町衆の皆さんは、そちらに竹竿を収納されています。
これは、竹竿を使って辻回しを行うすべての山鉾に共通します。

町衆の皆さんが、北観音山に竹座を収納し終えたられたようです。
通常通り音頭取りが2人となり、
大きく扇子を手前に振りかざされます。
「え~いやらや~」

音頭取りの皆さんの掛け声とともに、
北観音山の曳手の皆さんが「四条河原町」交差点から、
綱で北観音山を西に引っ張られます。
すると、北観音山が四条通を西に進みました。

北観音山が四条通を西に進み、
「四条河原町」交差点から去っていきます。
ここから残りの担ぎ山3期と、鷹山、大船鉾と続きますが、
ここでちょうど切りがいいので、今回はここまでです。
~次回は、黒主山、役行者山と続きます~
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