第226回 梅雨の建仁寺~大和大路南から北~その7

大和大路の門から建仁寺に入って、東に約100m進み北に向きました。
こちらは、臨済宗建仁寺の本坊です。
建仁寺の方状や法堂へは、すべてここから入ることになります。
今回は法堂の双龍図を見たり、方丈周辺でゆったりしたりします。
禅寺の庭園は、疲れた心を休ませるのに最適です。
撮影日は、2014年7月3日木曜日午後2時。
雨宿りのつもりが、2時間以上いてしましました。

では、本坊に入って早速拝観料を支払います。
ここ建仁寺の文化財の大半がレプリカなので、
(本物は、宝物庫や博物館で厳重に管理)
施設内もすべて撮影が可能です。
とは言え、さすがに受付の方は写せませんので、
下駄箱の前の書画を撮影しました。
きれいな字だと思う反面「哉」の字が違うように感じるのは、
自分の心がまだまだ悟っていないからでしょうか?

その書画の西側に、こちらの部屋があります。
中に、「風神雷神」と書かれた書画が見えます。

その部屋の奥に、俵屋宗達筆国宝「風神雷神図屏風」があります。
……と言っても、これはレプリカです。
本物は、第223回ブログで登場した京都国立博物館が
建仁寺に委託されて維持管理をしています。
まぁ、日本画史上最高傑作のうちの一幅ですから、
レプリカでも相当な迫力があります。

「風神雷神」の部屋から、西を向いています。
右(北)側が売店で、お茶が売られています。
突き当りが方丈で、そこを南に進むと双龍図のある法堂です。
本当の順路はそちらに向かうのですが、
「勝手知ったる」場所ですので自分の好きな順路で回ります。

ほぼ同じ場所で、北を向きました。
右(東)側の壁が「風神雷神」の部屋のもので、
左(西)側の壁が売店の壁です。
その間の廊下がずっと北に伸びています。
先ずは、手前に見える坪庭に向かます。

売店と小書院との間に、こちらの坪庭があります。
「○△□の庭」と呼ばれていて、
ここを目当てに来られる方も多いようです。
「どこが〇で、△、□か?」
とあれこれ言って眺めるのが面白いのですが、
自分は単純にきれいな庭だと思います。

同じ場所で、北を向いています。
では、小書院の脇を通り抜けてさらに北に向かいます。

小書院と大書院、さらに渡り廊下で区切られた空間に、
この「潮音庭」があります。
ここが建仁寺では、自分の一番のお気に入りです。
この写真は、クリックすれば拡大されます。

では、渡り廊下から本坊最北端の大書院に向かいます。
潮音庭見物は、もう少し後です。

大書院の中に入ってきました。正面に十六羅漢がいらっしゃいます。
自分の記憶が確かなら、以前はこちらに
「風神雷神図屏風」があったように思います。

大書院の東側に、このような掛軸がありました。
書画に詳しくないので、これは読めません……

大書院は西側にも床の間があって、
こちらには達磨大師の掛け軸が掛けてあります。
両側に床の間があるのが、面白いですね。

大書院の中から、潮音庭を眺めています。
ここは春は桜、秋は紅葉がきれいなところです。
ただ、雨に濡れる深緑もそれらに負けていません。
そして、こういう庭は一人でぼんやりするもよし、
親しい人と周囲に迷惑が掛からない程度のおしゃべりをするもよし、
ゆっくりと自分がくつろげるスタイルで眺めるのが一番です。

では、大書院から南に向かいます。
今度は、この西側の渡り廊下を使います。

その渡り廊下から、西を向いています。潮音庭の西隣の庭ですね。
苔とカエデの木の先に見えるのは、東陽坊という茶室です。
今回はこの廊下を南下して終わるので、そちらには向かいません。
この写真も、クリックすれば拡大できます。

同じ渡り廊下から、小書院を見ています。
ちょっと、あちらの縁側で休憩したいと思います。

小書院の縁側から北を向き、潮音庭を再び眺めています。
実は、この角度が自分の一番のお気に入りです。
写真にはっきりと写っていませんが、まだまだ雨は降っています。
大書院の方は、相変わらずたくさんの方々が休憩しています。
そして、自分の右側(写真には写っていません)では
自分のよく知らない60歳くらいの男性がいびきをかいて寝ています。
左側のカップルは、ずっと小声で何か話し合っています。
そんな中でこの庭を眺めているうち、急ぐのが馬鹿馬鹿しくなってきて
本当は三条通までこの日中に撮影しようと思っていたのですが、
この日はここ建仁寺で一日過ごすことにしました。
人生、気楽に過ごすのが一番ですね。

小書院の縁側で、約30分ぼ~っと過ごしました。
先ほどの渡り廊下に戻って、撮影再開です。

小書院の西向かいに、こちらの「唐子の間」があります。
小さな部屋の襖の中で、中国人の子供が遊んでいます。
この写真も、クリックすれば拡大できます。

「唐子の間」の南側にこのような縁側があって、腰かけられますね。
そこから方丈の北側が見えます。

今回ブログでは、方丈にはこの渡り廊下沿いの東側しか行きません。
こちらは、海北友松筆「雲竜図」のレプリカです。
こちらも、本物は京都国立博物館に維持管理を委託しています。
ここを含めた方丈の襖絵が、海北友松の最高傑作と言われています。
この写真も、クリックすれば拡大されます。

その「雲竜図」の部屋の南側に、方丈庭園があります。
次は、そちらに向かいます。

こちらが、建仁寺の方丈庭園になります。
方丈庭園と言えば禅寺の顔ですが、ここ建仁寺に関しては
「○△□の庭」や「潮音庭」のほうが有名のような気がします。
ちなみに、ここは法堂を借景に眺めるのが一番きれいですね。
この写真も、クリックすれば拡大されます。

方丈の東側から、法堂に向かう廊下が伸びています。
実は、この廊下は大書院から伸びる
先ほどから歩いてきた渡り廊下の延長です。
しかし、アップで撮るとしっかり雨粒が写りますね。
(それくらい強い雨が降っていました)

法堂に向かうには、方丈の東側で
スリッパに履き替えなければなりません。
そして、カギを自分で開けていったん外に出て方丈側に向かいます。
前回ブログで通った大和大路から本坊への道が
この廊下と交差しているからです。

カギを開けていったん外に出た後、
またカギを開けて法堂側に入ってきました。
向こうに見える「入り口」の看板の辺りから法堂内部に入ります。

「すべて撮影可能」とはいえ、
さすがにご本尊のお釈迦様は撮影を控えました。
こちらは、天井図の小泉淳作筆「双龍図」です。
完成は2002年と、かなり新しいものです。
(建仁寺自体は鎌倉時代初期に臨済宗開祖の栄西が建立しました)
この写真も、クリックすれば拡大されます。

法堂の中から、山門を見ています。向こうに小さく勅使門も見えます。
禅寺の一番の顔は、勅使門から三門越しに見える法堂ですが、
ここ建仁寺は東に桜、西に松が並んでいて、春には絶景になります。

では、法堂を出ます。
ここからいったん本坊に戻ってここから出ようと思います。

法堂の東側から、北に廊下が伸びています。
ここからまたカギを開けて、方状の前に戻ります。

方丈庭園の東側に戻ってきました。
向こうの下駄箱の前でスリッパを脱いで、方状内に入っていきます。

下駄箱から上がって、すぐに東を向きました。
この背後に、方状があります。
左(北)側にお茶を売っている売店があり、
その先が「風神雷神」の部屋です。
では、ここを東に進み本坊の出口に向かいます。

先ほどの場所から、東に突き当りまで歩きました。
今回ブログの最初にあった書画は、この背後にあります。
では、この下駄箱から建仁寺本坊から出ます。

建仁寺本坊を出ました。右(東)端に、法堂が写っていますね。
目の前の石畳を左(東)に進めば祇園花見小路に、
右(西)に進めば大和大路に出ます。
ただ今回は、少し東にずれた後南へと進みます。

建仁寺境内を本坊から、南東に約100m進みました。
こちらは、建仁寺の末寺の一つ両足院です。
この日(2014年7月3日)は特別公開が実施されていました。
そこでここにも寄ってみたのですが、
だいぶ写真を貼りつけたので、今回はここまでとします。
~次回は、半夏生の両足院に立ち寄ります~
~追記~
臨済宗建仁寺のサイトを貼り付けます。
境内および本坊の地図や
様々な施設や文化財の謂れなどの参考にしてください。
詳しくは、ここをクリックしてください。
京都駅からなら、建仁寺へは
京都駅北側の市バスターミナルから高野行きの206系市バスに乗って、
「東山安井」バス停で降ります。
バス停から「東山安井」交差点に向かい、
そこを西に下り坂を突き当りまで進めば建仁寺の門に出ます。
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