第251回 史蹟 船岡温泉~鞍馬口通東から西~その11

船岡東通から、鞍馬口通を西南西に向いています。
今回はここから千本通まで鞍馬口通を歩くのですが、
その前に船岡温泉に寄っていきます。
撮影日は、2014年9月18日木曜日午後4時。
北西角のお店が気になりますが、今は先に進みます。

船岡東通から、鞍馬口通を約20m進みました。
この辺りには様々な商店が並んでいて、賑やかになっています。
古い美容院の西隣に、「船岡温泉」と書かれた看板が掛かっています。
先ずは、こちらに寄ります。

こちらが、船岡温泉の入り口です。見たとおりの銭湯ですね。
関西圏では、時々銭湯が「温泉」と名乗っています。
実は、男湯と女湯が日替わりで入れ替わります。

その西側にここの勝手口があり、小さな日本庭園も見えます。
ここは大正時代に建てられた料理旅館だったのですが、
戦後に銭湯となりました。(料金は、京都市条例価格です)
そのため、彫刻が見事な脱衣場と浴室が
2003年に文化庁指定有形文化財に登録されました。

……で、その船岡温泉に入りました。
とは言え、例え男湯でも脱衣場や浴室を撮影することはできません。
ただ、このブログのことをここの主人に話したところ
(番台にいらしたので、ブログ掲載の許可を取ろうとしました)
番台の周辺は、撮影をしてもいいことになりました。
(番台は、脱衣場から独立しています)
こちらは、番台と向かい合っている神棚です。

番台から脱衣場の天井を見ました。
脱衣場には様々な透かし彫りがあって、それが見事です。
ただモチーフが変わっていて、
大日本帝国軍の行進の様子や戦艦・ゼロ戦が描かれています。
一番見事なのは、この天井の天狗の彫刻です。
ただ、ここからだとはっきりとは分かりません。

こちらは、番台の上部にある透かし彫りです。
(脱衣場は、全体がこういうもので囲まれています)
この銭湯は脱衣場の先に池があって、
「菊水橋」という橋を渡って浴室に向かいます。
(「橋」と言っても屋内なので、歩いていて気が付きませんが)
西側の浴室なら、露店の檜風呂から池の鯉が見られます。
(たくさんの鯉が泳いでいます)
ここの入浴客は、地元民と観光客が半々です。
ただ、この近所の方はこの「船岡温泉」を大切にしているようです。
自分が入浴を終えて脱衣場で服を着ていると、
幼稚園児くらいの女の子と小学生低学年の男の子が(たぶん兄妹)
「ここは一味違うよね」 「うん、他とは違うよね」
などと語り合いながら菊水橋を渡っていき、
それを聞きながら父親らしき男性が苦笑して後を付いていきました。

船岡温泉を出て、鞍馬口通を東北東に向きました。
向こうに見える横断歩道の辺りから、
今回ブログ最初の写真を撮りました。

船岡温泉で一風呂浴びて、
今回ブログ最初の地点鞍馬口船岡東のT字路に戻ってきました。
こちらは、今回ブログ最初の写真に写っていた飲食店です。
次は、こちらに寄ります。

ここは「月光荘」という旅館の1F部分にある
「八雲食堂」という沖縄料理店です。
「船岡温泉」の後は、自分はいつもここに寄ります。
「沖縄」ということで、オリオンビールを頼みました。
右の小鉢は冷奴で、奥の皿は締め鯖を炙ったものです。
自分のここでのお気に入りは、左の「イリチー」です。
豚肉とゴボウ・豆腐を甘辛く炊いたもので、
酒の肴だけではなく、ごはんのおかずにもなります。
自分がここで食事をしていたとき、
隣の白人男性が玄米にお味噌汁、焼き魚を食べておられました。
(おそらく、菜っ葉の炊いたんもありました)
この辺は京町家も多く残っており、
京都に憧れている方も多く引っ越されてきています。
ですから、標札がカタカナの町屋もこの辺には多いのです。

八雲食堂の前(船岡東通)から、鞍馬口通を西南西に向きました。
では、ここから船岡温泉を通り過ぎ西南西に向かいます。

船岡温泉の前で、鞍馬口通を西南西に向いています。
少し先に辻が見えます。

さらに鞍馬口通を西南西に進んで、その辻に来ました。
鞍馬口通から、その通りを北に向いています。
左に「建勲神社」と書いた碑が立っていますが、
こちらからも船岡山に登ることができます。
(ただ、前回ブログのものとは別ルートになります)

その辻から、鞍馬口通を西南西に向きました。
この辺りから、古い商店が何軒か並び始めます。

先ほどの辻から、鞍馬口通を西南西に約10m進みました。
こちらは閉まっているようですが、実は営業中です。
木炭や練炭・灯油などを売っているお店ですね。

その燃料店から、鞍馬口通を西南西に約50m進みました。
こちらは、地域スーパーの「フードショップ エムジー」です。
その隣には、集合住宅も並んでいます。
京町家などが並ぶ中、こういう建物も並んでいます。

その地域スーパーの前で、北を向きました。
ずっと向こうに、船岡山が見えています。
建勲神社は、船岡山の東側にいらっしゃいます。
船岡山の西半部は、公園になっています。
そして、こちらの道を進むとその船岡山公園に辿り着きます。

先ほどの道から、鞍馬口通を西南西に約50m進みました。
こちらの豆腐屋さんがおいしそうだったのですが、
この時はお留守にされていて買えませんでした。
(午後5時くらいに帰られると、メモが入り口に貼ってありました)

こちらは、その豆腐屋さんの向いです。
昔ながらの酒屋さんですが、看板の錆び方が渋いですね。

その酒屋さんの前から、鞍馬口通を西南西に向きました。
そろそろ千本通との交差点が見えてきましたね。

その酒屋さんから、鞍馬口通を西南西に約50m進みました。
鞍馬口通に、またお地蔵さんが見えてきました。
たぶん、200mに1体はいらっしゃいますね。

そのお地蔵さんの前から、鞍馬口通を西南西に向きました。
だんだん千本通が近付いてきて、自動車の交通量が増えてきました。

その辺りで鞍馬口通を北に向きました。この先にも船岡山が見えます。
船岡山は東西に長い山で、船岡東通から千本通の間に広がります。

先ほどの場所から、鞍馬口通を西南西に約80m進みました。
ようやく千本通との交差点に辿り着きました。

鞍馬口通から、千本通を北に向いています。
こちらは、急な上り坂ですね。
向こうに市バスが停まっていますが、
あちらは206系市バス路線の「千本鞍馬口」バス停です。

鞍馬口通から、千本通を南に向きました。
急な下り坂になっています。
ここから南に大きな商店街があって、だいぶ賑やかになります。
第247回ブログの追記に出てきた「大福」という和菓子屋さんも、
この商店街の一角にありました。

では、横断歩道を渡り千本通西側歩道に向かいます。
ここから、千本通を少し散策します。

鞍馬口通から、千本通を南に向いています。
ここを進んでいくと、「京都市北区紫野」から
「京都市上京区閻魔前町」になります。

こちらは、千本鞍馬口交差点南西角にあったショウウィンドウです。
京都市街地では珍しい農機具のお店なのですが、
いろいろな道具が売られているようですね。

鞍馬口通から、千本通を南に約50m下ってきました。
こちらは廬山寺通との交差点です。ここから南が千本通商店街です。

廬山寺通から、千本通を南に約20m進みました。
カラメルポップコーンの店と小物屋さんの先に、ポストが見えます。
では、そのポストの前で西を向いてみます。

西を向くと、こちらの寺院が見えました。
ここは、引接寺(いんじょうじ)通称「千本ゑんま堂」です。
18か月ぶりのゑんま堂ですが、もうだいぶ写真を貼りつけました。
ですから、これ以降は次回です。
今回は、ここまでです。
~次回は、この「千本ゑんま堂」に向かいます。
次回で、「鞍馬口通編」の本編が終了します~
~追記~
そう言えば、この鞍馬口通は銭湯がかなり多い通りです。
第244回ブログに出てきたいなり湯、
第246回ブログに出てきた鞍馬湯、
そして今回ブログに出てきた船岡温泉の3か所もあります。
町屋が並んでいて、お地蔵さんや銭湯が並ぶ鞍馬口通も
ある意味京都市街地の象徴的な道と言えますね。
~追追記~
風水上の船岡山
「レイライン」というものがあって、よく怪しげな歴史書には
「〇〇の謎」として様々な施設が一直線に並んでいることに
何らかの意味を見出そうとすることがあります。
そういうものの大半は「単なる偶然」と証明できているのですが、
この船岡山に関するものは決して偶然ではありません。
平安京遷都の際、この船岡山の直線状に
朱雀通(今の千本通)を作り、そこを平安京の中心にしました。
さらに、鞍馬寺→船岡山→神泉苑→城南宮を一直線上に並べて
風水上での都市の発展の象徴「龍の通道」としました。
つまり、この「縦並び」は平安京遷都の際、
都市計画の一環として意図的に並べられたものです。
まぁ、考えようによっては「パワースポット」ですが、
現在の京都市民はこれに御利益があるとは特に感じてはいません。
~さらに追記~
この辺の地図を貼り付けます。
詳しくは、ここをクリックしてください。
京都駅からなら、駅北側市バスターミナルから
千本通経由の206系市バスに乗って「千本鞍馬口」バス停で降ります。
すぐ前に、千本鞍馬口交差点があります。
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