第590回 人の波渡る大船鉾~祇園祭後祭山鉾巡行~後編

祇園祭後祭山鉾巡行も、佳境に入ってきました。
山6番くじ取らずの南観音山が「御池河原町」交差点を去り、
代わりに次の役行者山の姿が見えます。
今回は、残りの後祭山鉾巡行全てを載せます。
撮影日は、2018年7月24日火曜日正午。
今回で、やっと2018年祇園祭の記事の全てが終了します。

こちらが、山7番役行者山です。
ご神体は、葛城神・役小角・一言主です。
日本の密教や山岳信仰・修験道など神仏習合と関わりのある山です。

役行者山の幟と山の間で聖護院の修験者が参列されています。
役行者山と聖護院の修験者の御縁は深く、
山鉾巡行の前日の宵山(7月23日)午後2時から、
毎年京都市中京区役行者山町で、
聖護院の修験者が祈祷されます。
その際、聖護院の修験者は般若心経の読経と共に
「南無 祇園牛頭天王」 「南無 神変大菩薩」
と唱えられます。(第139回ブログ参照)
牛頭天王は祇園祭の主神で、素戔嗚尊とよく同一視されます。
一方、神変大菩薩は役小角の仏としての名前です。
このような文言が残っていることからも、
祇園祭と聖護院の修験者の関わりの深さが窺い知れます。

そして、役行者山が「御池河原町」交差点に入ってきました。
役行者山が交差点中央に入ってくると、
担ぎ手の皆さんは役行者山を持ち上げられました。

役行者山が、南に向きました……
と思ったら、こちらに来られたいくつかの山同様に
交差点の中央でまたまた回転しだしました。

役行者山が回転して、真後ろを向きました。
こちらから見ると、見送りがはっきり見えますね。

さらに、役行者山が北を向きました。
役行者山は、まだまだ回転し続けます。

役行者山が、こちらを正面に向きました。
この角度だと、役小角像初めご神体がよく見えます。

そして、役行者山が南を向きました。
すると、担ぎ手の皆さんが役行者山を地面に下ろされました。

「御池河原町」交差点から、役行者山が南下します。
その後から、荷茶屋(にないちゃや)が通り過ぎました。
要するに、荷物が入った容れ物ですね。
その後から、浄妙山が続きます。

こちらは、浄妙山の上の方です。
浄妙山は、宇治川の戦いで一番名乗りをしようとした浄妙が
一来法師に頭を越されて、一番名乗りを逃した様子を表しています。
(かつて日本の戦では、最初に名乗りを上げた者は褒美が貰えました)
浄妙の頭の上に、一来法師が乗っかる変わったご神体です。

浄妙山が、「御池河原町」交差点の中央に入ってきました。
すると、担ぎ手の皆さんが浄妙山を担ぎ上げました。

そして浄妙山が南を向くと、
担ぎ手の皆さんは浄妙山をそのまま地面に下ろされました。
どうやら、この山は回転されないみたいです。
……と言いますか、この山が回転したら
一来法師像の腕が折れてしまいそうな気がします。

浄妙山の後は、山9番八幡山の登場です。
京都市中京区三条町に祀られる八幡神社の祠が、ご神体です。

八幡山が、交差点の中央に入ってきました。
すると、担ぎ手の皆さんが八幡山を持ち上げました。

八幡山も南を向くと、そのまま地面に下ろされました。
大きな山鉾が辻回しする直前の小さな山は、
このように回転されない場合が多いですね。

そして八幡山の後は、山10番くじ取らずの大船鉾です。
前祭の山鉾巡行の最後尾は船鉾なのですが、
この後祭の最後尾は大船鉾です。
どちらもアマノトリフネを表していますが、
大船鉾は日本への帰還を表しています。

大船鉾の曳き手の皆さんが「御池河原町」交差点を通り過ぎ、
こちらの方に来られました。
大船鉾の船首は毎年交互に取り付けられるのですが、
今年は龍神のようです。
(昨年は、紙垂が取り付けられていました)

「御池河原町」交差点に、大船鉾が入ってきました。
交差点の中央近くに入ってきて、大船鉾が停止しました。
京都市下京区四条町を表す「四」の紋が見えますね。

大船鉾曳き手の皆さんが、御池通から河原町通に向かいました。
大船鉾の車輪脇に竹を敷き詰められ、辻回しの準備が終わりました。

いよいよ大船鉾の辻回しが始まります。
音頭取りの方々が、扇を振り上げられます。

音頭取りの方々が、「エイヤラヤ~」と声を掛けられます。
そして、扇を前に突き出されました。

その掛け声を合図に、曳き手の皆さんが南側から大船鉾を曳きます。
すると大船鉾は竹の上を滑り、30°ほど南に曲がりました。

大船鉾は、ここからまた辻回しの準備に入ります。
車輪脇に新たに竹が敷き詰められていきます。
そして、滑りをよくするために竹に水が撒かれています。

再び音頭取りの方々が、「エイヤラヤ~」と叫ばれます。
すると、また曳き手の皆さんが南側から大船鉾を曳かれます。

そして、大船鉾がさらに30°ほど南にズレました。
大船鉾はここで停止しました。あともう1回辻回しが必要ですね。

更に大船鉾は、辻回しの準備に入ります。
車輪脇の竹が敷き詰め直されて、その上に水が撒かれます。

そして3度「エイヤラヤ~」の掛け声が響きます。
すると、曳き手の皆さんが南側から大船鉾を曳かれました。

そうして大船鉾が竹の上を滑っていき、真南で停止しました。
こうして、大船鉾が約90°曲がりました。

大船鉾の辻回しが終わりました。
辻回しで使われた竹が裾幕内に仕舞われた後、前進するため
音頭取りの方々が、「エイヤラヤ~」と掛け声を発せられました。

大船鉾が河原町通を南下し、「御池河原町」交差点を去ります。
これで2018年の祇園祭後祭山鉾巡行が
全て「御池河原町」交差点を通り過ぎました。
その後から御池通を一般車両がやって来ました。

急いで「御池河原町」交差点が、撤収作業に入ります。
京都信用金庫河原町支店の行員さんが、
水の入った桶や長いホースを片付けていかれます。

撮影ポイントから、御池通を東に向きました。
規制線が外されて、撮影されていた方々がもういません。
一般車両が、御池通を通行できるようになってきました。

すると、「御池河原町」交差点の信号が復活しました。
先ずは歩行者が交差点を行き来します。

一方、自分は「御池河原町」交差点の駐輪場に向かいます。
そして、寺町通経由で帰宅しました。
これで、2018年祇園祭後祭山鉾巡行の連載を終えます。
~次回から、夏休み中の京都市内散策を載せます。
2018年は京都駅前から島原に向かいました~
~追記 その1~
この辺りの地図を貼り付けます。
詳しくは、ここをクリックしてください。
~追記 その2~
次回から、島原を散策します
2018年は諸事情により、延々祇園祭の記事を連載してきました。
それも今回で全ての記事を書き終えました。
このブログはこの時期はいつもの「道ブログ」ではなく、
夏休み中の観光地散策を載せていたのですが、
2018年は島原を中心とした記事を載せます。
第314回ブログで初めて掲載して以来、
個人的に何度も島原に訪れていたのですが、
ブログには掲載していませんでした。
(と言いますか、近所なので別の用事のついでに立ち寄っていました)
そうやって島原に通っていて気付いたのは、
島原は真夏がよく似合うということでした。
炎天下で強い日差しの中で、この街並みが映えるのです。
そして、2018年はたまたま「京の夏旅」で
輪違屋と角屋が一般公開されることになりました。
ではそれと絡めて島原観光を企画したのですが、
新撰組の屯所にもなった西本願寺もそこに絡めて、
それを取材するなら西本願寺東側の「ご縁町」もついでに載せて、
そこまで載せるなら京都駅前も一緒に載せれば
駅から駅までの交通機関も載せた記事が可能になります。
そういう感覚で、次回からの記事が出来上がりました。
~追記 その3~
島原の桜木太夫さんが
Hyggeでまた舞踊を踊られます
実は諸事情により、今回ブログは追記を約1日かけて
ちょっとずつ書き足しています。
その島原へ取材に行った際に、
Hyggeという京町家カフェに立ち寄りました。
第315回ブログで取材して以来、何回も行かせていただいています。
そこでかき氷を頂いたのですが、
その際桜木太夫さんとの交流会のチラシを頂きました。
そう言えば、このブログでも以前宣伝さてて頂きました。
開催が更新日の3日後で、しかも要予約なので、
このブログは決して宣伝に放っていないと思いますが、
せっかくなのでここに載せます。
日時は2018年8月25日土曜日午後5時からで、
予約も開催場所もそのHyggeでなさるそうです。
(会費が、食事付きで7,000円かかります)
桜木太夫さんは2015年に継承された島原の輪違屋所属の太夫さんで、
これまでもたびたびこのHyggeで交流会を為されています。
実は仕事の都合で自分はこの交流会に出たことがないので、
その桜木太夫さんと会ったことがありません。
ただ、いつも好評のようで毎回満員御礼のようです。
機会がある方は、是非ご利用ください。
~追記 その4~
実は続きがありまして……
この後「御池河原町」交差点から御池通を西へ進み、
「御池寺町」交差点下で南に折れて
そのまま寺町通を南下して帰宅しようと思いました。
途中その辺の飲食店でも寄ろうと思ったのですが……

こちらは「四条寺町」交差点です。ここで四条通が通行止めです。
自転車で、山鉾巡行行列を追い抜いていたようです。

自分がこの交差点に来たとき、
ちょうど役行者山が通り過ぎていきました。
周囲の方々は、大半が山鉾巡行目当てではありません。
(この交差点は、特に撮影ポイントとして知られていませんし)
ただ全体的にはこちらを楽しんでおられましたし、
急いでおられる方々は阪急電車「河原町」駅近くの
地下道を利用されておりました。

「四条寺町」交差点南西角藤井大丸前を山8番浄妙山が通過します。
今回ブログ本編同様、一来法師が逆立ちしていますね。

さらに、八幡山が通り抜けます。
「四条寺町」交差点の東側に八坂神社のお旅所がいらして、
山鉾巡行参加者はこちらで立ち止まって参拝されます。
そのため、立ち止まった瞬間が撮影にちょうどいいですね。

「四条寺町」交差点から、東を向きました。
「四条河原町」交差点に大船鉾が入ってきて、
辻回しが始まりました。

辻回しが終わり、大船鉾が四条通を西に進みます。
東山を背にして、大船鉾が映えますね。

大船鉾が、「四条寺町」交差点に近づいてきました。
町衆の方々が、八坂神社お旅所に参拝されます。

大船鉾が再び動き出しました。
四条通は歩道が広くて車道が狭いので、
御池通以上に山鉾に近づくことができますね。

大船鉾が、自分の目の前を通り過ぎます。
先程の「御池河原町」交差点では約50mで撮影していましたが、
こちらでは5m未満の距離です。

ですから本当に真ん前に大船鉾が来たとき、
首を上に向けて視なければいけません。
迫力が、全然違います。

大船鉾が去っていきます。
これで、全ての山鉾が「四条寺町」交差点を通り過ぎました。

大船鉾が通り過ぎると、
「四条寺町」交差点の交通規制が解除されました。
こうして見ると大船鉾を先頭に、
歩行者と自動車が続いているようですね。
この辺りの地図を貼り付けます。
詳しくは、ここをクリックしてください。
~追記 その2~
次回から、島原を散策します
2018年は諸事情により、延々祇園祭の記事を連載してきました。
それも今回で全ての記事を書き終えました。
このブログはこの時期はいつもの「道ブログ」ではなく、
夏休み中の観光地散策を載せていたのですが、
2018年は島原を中心とした記事を載せます。
第314回ブログで初めて掲載して以来、
個人的に何度も島原に訪れていたのですが、
ブログには掲載していませんでした。
(と言いますか、近所なので別の用事のついでに立ち寄っていました)
そうやって島原に通っていて気付いたのは、
島原は真夏がよく似合うということでした。
炎天下で強い日差しの中で、この街並みが映えるのです。
そして、2018年はたまたま「京の夏旅」で
輪違屋と角屋が一般公開されることになりました。
ではそれと絡めて島原観光を企画したのですが、
新撰組の屯所にもなった西本願寺もそこに絡めて、
それを取材するなら西本願寺東側の「ご縁町」もついでに載せて、
そこまで載せるなら京都駅前も一緒に載せれば
駅から駅までの交通機関も載せた記事が可能になります。
そういう感覚で、次回からの記事が出来上がりました。
~追記 その3~
島原の桜木太夫さんが
Hyggeでまた舞踊を踊られます
実は諸事情により、今回ブログは追記を約1日かけて
ちょっとずつ書き足しています。
その島原へ取材に行った際に、
Hyggeという京町家カフェに立ち寄りました。
第315回ブログで取材して以来、何回も行かせていただいています。
そこでかき氷を頂いたのですが、
その際桜木太夫さんとの交流会のチラシを頂きました。
そう言えば、このブログでも以前宣伝さてて頂きました。
開催が更新日の3日後で、しかも要予約なので、
このブログは決して宣伝に放っていないと思いますが、
せっかくなのでここに載せます。
日時は2018年8月25日土曜日午後5時からで、
予約も開催場所もそのHyggeでなさるそうです。
(会費が、食事付きで7,000円かかります)
桜木太夫さんは2015年に継承された島原の輪違屋所属の太夫さんで、
これまでもたびたびこのHyggeで交流会を為されています。
実は仕事の都合で自分はこの交流会に出たことがないので、
その桜木太夫さんと会ったことがありません。
ただ、いつも好評のようで毎回満員御礼のようです。
機会がある方は、是非ご利用ください。
~追記 その4~
実は続きがありまして……
この後「御池河原町」交差点から御池通を西へ進み、
「御池寺町」交差点下で南に折れて
そのまま寺町通を南下して帰宅しようと思いました。
途中その辺の飲食店でも寄ろうと思ったのですが……

こちらは「四条寺町」交差点です。ここで四条通が通行止めです。
自転車で、山鉾巡行行列を追い抜いていたようです。

自分がこの交差点に来たとき、
ちょうど役行者山が通り過ぎていきました。
周囲の方々は、大半が山鉾巡行目当てではありません。
(この交差点は、特に撮影ポイントとして知られていませんし)
ただ全体的にはこちらを楽しんでおられましたし、
急いでおられる方々は阪急電車「河原町」駅近くの
地下道を利用されておりました。

「四条寺町」交差点南西角藤井大丸前を山8番浄妙山が通過します。
今回ブログ本編同様、一来法師が逆立ちしていますね。

さらに、八幡山が通り抜けます。
「四条寺町」交差点の東側に八坂神社のお旅所がいらして、
山鉾巡行参加者はこちらで立ち止まって参拝されます。
そのため、立ち止まった瞬間が撮影にちょうどいいですね。

「四条寺町」交差点から、東を向きました。
「四条河原町」交差点に大船鉾が入ってきて、
辻回しが始まりました。

辻回しが終わり、大船鉾が四条通を西に進みます。
東山を背にして、大船鉾が映えますね。

大船鉾が、「四条寺町」交差点に近づいてきました。
町衆の方々が、八坂神社お旅所に参拝されます。

大船鉾が再び動き出しました。
四条通は歩道が広くて車道が狭いので、
御池通以上に山鉾に近づくことができますね。

大船鉾が、自分の目の前を通り過ぎます。
先程の「御池河原町」交差点では約50mで撮影していましたが、
こちらでは5m未満の距離です。

ですから本当に真ん前に大船鉾が来たとき、
首を上に向けて視なければいけません。
迫力が、全然違います。

大船鉾が去っていきます。
これで、全ての山鉾が「四条寺町」交差点を通り過ぎました。

大船鉾が通り過ぎると、
「四条寺町」交差点の交通規制が解除されました。
こうして見ると大船鉾を先頭に、
歩行者と自動車が続いているようですね。
- 関連記事
-
- 第588回北観音山辻回し~祇園祭後祭山鉾巡行2018~前編 (2018/08/15)
- 第589回鯉山も回ります~祇園祭後祭山鉾巡行2018~中編 (2018/08/18)
- 第590回 人の波渡る大船鉾~祇園祭後祭山鉾巡行~後編 (2018/08/23)
- 第873回橋弁慶山巡行~2022年祇園祭後祭山鉾巡行~その1 (2022/09/22)
- 第874回 北観音山辻回し~祇園祭後祭山鉾巡行~その2 (2022/09/24)
- 第875回 鯉山 南観音山~祇園祭後祭山鉾巡行~その3 (2022/09/26)
- 第876回 役行者山 黒主山~祇園祭後祭山鉾巡行~その4 (2022/09/28)
- 第877回 鷹山初めての辻回し~祇園祭後祭山鉾巡行~その5 (2022/09/30)
- 第878回 最後は大船鉾~祇園祭後祭山鉾巡行2022~その6 (2022/10/02)
- 第983回「四条河原町」交差点~祇園祭後祭山鉾巡行~その1 (2023/08/27)
- 第984回 祇園祭花笠巡行~祇園祭後祭山鉾巡行~その2 (2023/08/30)
- 第985回 橋弁慶山 南観音山~祇園祭後祭山鉾巡行~その3 (2023/09/03)
- 第986回 浄妙山八幡山鯉山~祇園祭後祭山鉾巡行~その4 (2023/09/06)
- 第987回 北観音山の辻回し~祇園祭後祭山鉾巡行~その5 (2023/09/08)
- 第988回 黒主山 役行者山~祇園祭後祭山鉾巡行~その6 (2023/09/12)
スポンサーサイト