第613回 渉成園から文子天満宮へ

東本願寺庭園である渉成園のほぼ中央にある侵雪橋の上にいます。
ここから、印月池に浮かぶ小島に進みます。
今回は、渉成園散策の後半と北隣の文子天満宮の様子を載せます。
撮影日は、2018年11月15日木曜日午前11時半。
少し曇ってきますが、全般としては快晴でした。

侵雪橋の上から、印月池の東側を見ています。
印月池に架かるもう一つの橋である回棹廊は、修復中です。
前回ブログでも書きましたが、
2018年は京都市街地に台風がいくつか直撃したこともあって、
あちこちの文化財が現在修復中です。
こちらのその一つですね。
回棹廊の周囲にカエデ並木があるのですが、
この日(2018年11月15日)は完全に青葉でした。
2018年は、紅葉が例年より遅いですね。

侵雪橋から、大きい方の浮島に着きました。
では、浮島の南側から東へ進みます。

その浮島の最南端から、さらに南を見ています。
印月池にはいくつか浮島が並んでいますが、
人が入れるのは一番大きなこの島だけです。
この辺りが印月池が広いので、絶景になりますね。

さらにその浮島の最東端に回り、さらに東を見ています。
この塀の向こうは河原町通で、外のマンションも見えます。
渉成園自体は静かですが周囲が京都市街地の中心部で、
高層ビルが借景となるのがこちらの最大の特徴です。

その辺りで、この浮島を見上げてみました。
築山の頂上に、縮遠亭という茶室があります。
普段は非公開なので、ここから見るだけにします。

浮島の侵雪橋の袂に戻ってきました。
では、こちらを渡り渉成園の残りの部分を回ります。

侵雪橋を渡り、西を向いています。
前回ブログは右(北)側から来たので、今回は左(南)側を進みます。

先程の位置から南西に進むと、閬風亭(ろうふうてい)の前に出ます。
よく見ると、この写真は京都タワーが借景になっています。
実は京都タワーが一番きれいに写るのは、この渉成園内です。

閬風亭の東側は大きな広場になっているのですが、
この日(2018年11月15日)は縁台がいくつも用意されていました。
どうやらお汁粉のサービスがあったようなのですが、
自分と母は先を急ぎますのでここでは待ちません。

その縁台にちょっと座って、印月池の浮島を見ています。
こちらの浮島は直線状にきれいに並んでいますが、
元々は豊臣秀吉が建設した御土居でした。
御土居の東側は現在の河原町通の真上に造られていました。
河原町通は五条通~上珠数屋町通間で南南西に曲がりますが、
それはその東を流れる鴨川に沿って造られたからです。
上珠数屋町通以南の河原町通はまた鴨川沿いに真南に伸びますが、
安土桃山時代の御土居はその先も南南西に伸びていました。
こちらの浮島は、その名残です。
ちなみに、江戸時代に入り徳川家康は
この辺り(東側)の御土居をほぼ破壊しました。
(西側や北側は、割とそのまま残しました)
そして渉成園を造営し河原町通や土手町通を作った際、
御土居の一部をこのように浮島として利用しました。

同じ位置で、南西を向きました。
では、そろそろ先に進みます。

閬風亭の南側にある門をくぐると、こちらに出ます。
こちらは渉成園の大玄関で、中で閬風亭とつながっています。
(第349回ブログを参照)
また、左(西)側の建物が自分の知らない間に売店になっていました。
土産物と何故かソフトクリームが売られていました。

その売店の左(西)側が、渉成園の最西端です。
今度は、こちらを北上します。

先程の位置から約50m北上し、西を向きました。
向こうに渉成園の入り口が見えます。
これで、前回ブログと合わせて渉成園を一周したことになります。
では渉成園を出て、間之町通に戻ります。

渉成園を出て、間之町通から正面通を西に向いています。
約200m先に、東本願寺御影門が見えますね。
前回ブログではその東本願寺御影門から、この位置まで来ました。

同じ位置で、間之町通を北に向きました。
右(東)側に、渉成園の塀が続きますね。
では、こちらを北上していきます。

渉成園の入り口から、間之町通を約100m北上しました。
ここで間之町通は、上珠数屋町通と交差します。
向こうに厚い雲が見えますが、これは一時的なものでした。
この日(2018年11月15日)は、一日を通して快晴でした。

間之町通から、上珠数屋町通を東に向いています。
この辺りは東本願寺門前町なので、京町家と仏具店が並んでいます。

今度は上珠数屋町通から、間之町通を北に向きました。
間之町通は、上珠数屋町以北でこの道幅に変わります。
では、約40m先の「文子天満宮」と書かれた看板の許に向かいます。

上珠数屋町通から、間之町通を約40m北上しました。
では、こちらから文子天満宮にお参りします。

先程の石製鳥居の左(南)側に、こちらの手水舎があります。
先ずは、こちらで手を浄めます。

こちらは、文子天満宮境内の北側です。
さまざまな末社が祀られていますね。
左(西)から順に、多治比文子像、老松社福部社(これで1社です)、
白太夫社、白滝稲荷社ですね。

先程の石製鳥居を真っすぐ西に進むと、
こちらの文子天満宮本殿に向かいます。
平安時代半ばの903年に菅原道真が亡くなりましたが、
その直後から政敵の藤原氏の人々が次々病死し、
さらに京都市街地で天然痘の大流行で多くの方々が亡くなりました。
当時の京都人は「菅原道真の祟り」と恐れたのですが、
その頃にここに住んでいた多治比文子という女性が
「ここに神社を建て、菅原道真を祀るように」と神託を受けました。
当時貧しかった多治比文子は自宅に祠を作り、
それがこの文子天満宮の発祥です。
そして、これが日本全国の「天神信仰」の発祥とされています。
ですから、こちらのご祭神は菅原道真です。

文子天満宮本殿の南隣に、文子殿がいらっしゃいます。
ご祭神は、多治比文子(たじひのあやこ)です。
さて、問題はその多治比文子自身です。
彼女は、いったい何者でしょうか?
菅原道真の乳母という説がかなり有力なのですが、
菅原道真とは縁も所縁も何も無かった占い師という説も有力です。
菅原道真の乳母ならここを建立したときは老婆だったでしょうが、
占い師説なら10歳くらいの童女ということだそうです。
実は当時の年齢すら、よく分かっていません。

文子天満宮本殿に背を向け、東を向いています。
では、ここを出て間之町通に戻ります。

文子天満宮を出て、間之町通を南に向きました。
では、ここを南下して上珠数屋町まで戻ります。

間之町通から、上珠数屋町通を東に向いています。
この道は、京都市街地としては大通りです。
(平均的な京都市街地の道幅は、文子天満宮前の間之町通くらいです)
渉成園を囲む道は東側の河原町通はもちろん、
北側の上珠数屋町通、南側の下珠数屋町通、
西側の間之町通が全て大通りなのは、理由があります。
実は、明治時代の半ばまでここに市電が通っていました。
当時人通りの多かった「七条河原町」交差点や
「七条烏丸」交差点を避けるためだったようです。
(まぁ路面電車ですから、繁華街のど真ん中を避けたかったようです)
では、この上珠数屋町通を東に進みます。

間之町通から、上珠数屋町を約50m東に進みました。
右(南)側は、渉成園の塀ですね。
こちらから、横断歩道が左(北)に伸びています。

その辺りで、北に向きました。
ここから高倉通が北に伸びていますね。(404回ブログ参照)

高倉通から、上珠数屋町通を東に約50m進みました。
右(南)側に渉成園の塀がまだまだ続きますが、
左(北)側から、富小路が伸びています。
つまり、こちらが富小路最南端です。

富小路から、上珠数屋町通を約80m東に進みました。
ここで上珠数屋町通は、河原町通と交差します。

「上珠数屋町河原町」交差点にまで来ました。
上珠数屋町通は、約30m先の土手町通まで続きます。
そろそろ信号が青くなったので、横断歩道を渡ります。

横断歩道を渡って、上珠数屋町通から河原町通を北に向いています。
こうして見ると、この上珠数屋町通以北の河原町通が
北北東に曲がっていることが分かりますね。

上珠数屋町通から、河原町通を南に向いています。
左(東)側は商店や住宅が続きますが、
右(西)側は渉成園の塀が続きます。
では、こちらを南下していきます。

上珠数屋町通から、河原町通を約50m南下しました。
右(西)側は渉成園の塀が続きますが、
左(東)側はここから東に正面通が復活します。
ちなみに、この正面通は先程の正面通を
そのまま東に伸ばした場所から伸びています。
ここからはこの正面通をどんどん東に進んでいくのですが、
もうだいぶ写真を貼り付けました。
ですから、今回はここまでです。
~次回は……この近所を載せますが、「紅葉特集」ではありません。
1回分だけ、別の内容を載せます~
~追記 その1~
この辺りの地図を貼り付けます。
詳しくは、ここをクリックしてください。
文子天満宮が、起点です。
~追記 その2~
2018年紅葉散策に、
サブタイトルはありません
第611回ブログでも書きましたが、
今年(2018年)の紅葉散策は副題を付けていません。
最大の理由は、いろいろな場所に行くために
地名を盛りだくさんに書くと、
分かりにくいですし、なんか不細工だからです。
ですから、次回ブログのようにちょっと「寄り道」すると
ややこしいのですが、まぁそれはそれということで……
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