第74回 深緑の南禅寺 前編~蹴上散策~その2

地下鉄東西線「蹴上」駅から徒歩5分の南禅寺通用門です。
ここまで来るのに、前回ブログ一回分を消費しました。
今回は、やっとここから南禅寺に入っていきます。
撮影日は、2012年9月9日日曜日午後2時。
この時点では、曇り空でした。

通用門をくぐる前に、北側の勅使門に寄ります。
昔は、ここが正門でした。
ですから、多くの禅寺で勅使門→三門→法堂が一直線に並びます。

通用門に戻って、くぐり抜けました。
このまま東に進むと、
右(南)側の末寺を見ながら方丈にたどり着きます。
ただ、今回はここから北を向きます。

前の写真から、左(北)を向きました。
目の前に見えるのは、勅使門の裏側です。
ここをずっと進むと、
永観堂禅林寺や哲学の道を通って銀閣に至ります。
永観堂禅林寺の手前に、東山高校があります。
平日は「蹴上」駅からこの辺りまでが通学路になり、
朝夕は多くの生徒であふれます。

勅使門から東を向きました。目の前に、三門が見えます。
(重要文化財です)
東福寺や建仁寺では、三門越しに法堂が見えて
これがなかなかの絶景なのですが、
南禅寺は山門が大きすぎて向こうが見えません。
目の前が一面のカエデなので、
11月になるとかなりの絶景になるでしょう。

三門に近づいてきました。やはり大きいですね。
見上げると、迫力があります。
この写真もクリックすると、拡大されます。
上の方に昇っておられる方も多いようです。
自分も、そちらに向かいます。

三門の南側に回って、チケットを買いました。
500円しましたが、それだけの値打ちはありました。

かなり急な階段を上って、三門の上にまで来ました。
ここの裏側は楼上の内陣があり、仏様がたくさんいらっしゃいました。
楼上は周辺のカエデや松よりも高く、しかも標高も高いので
「楼上三五桐」の石川五右衛門のように
「絶景かな 絶景かな」
そう言いたい気分でした。
……絶景なのですが、実はここは平坦ではなく
外に向けて斜めに傾いています。
ですからこの写真を撮るときように下を向いて立っていると、
だんだん足が外へ外へと滑っていきます。
欄干がありますが、高所恐怖症の方はかなり厳しいでしょう。
この写真も、クリックすると拡大されます。

三門の楼上から、京都市街地を見ています。
中央の高いビルは、京都ホテルオークラです。
その左(南)側に、68回ブログの本能寺があります。
右(北)には、岡崎公園の南端にある平安神宮の大鳥居が見えます。
(第71回ブログの粟田神社からも見えましたね)

先ほどの写真から左(南)を向くと、
第72回ブログ以来のウェスティン都ホテル京都が見えます。
先ほどの写真と比べて建物全体が見えるのは、
それだけ都ホテルの標高が高いからです。
では、三門を下りて南禅寺参拝を続けます。

三門をくぐり、カエデ並木の先にある法堂に向かいます。
やはり、ここは11月が絶景ですね。

三門をくぐり抜けると、法堂までは少し上り坂になっています。
カエデの木のもとに、カマキリがいました。
本当は撮りたかったのですが、
左側のカップルが熱心に撮られていたので、
邪魔するのも悪いと思い、撮影をあきらめました。

三門から約50m進むと、法堂に近づいてきました。
辺り一面カエデ並木ですね。

南禅寺のカエデは、枝が横に伸びています。
木自体は低いのですが、葉が重なって色合いが濃くなります。
この写真も、クリックすると拡大されます。

いよいよ南禅寺の法堂(本堂)に来ました。
お布施を払って、目の前の香炉に線香を奉げます。

香炉越しの南禅寺法堂(本堂)です。
南禅寺は、鎌倉時代後期の1292年(元寇の直後)に
亀山上皇の命で建立された臨済宗の寺院です。
その後室町時代には、臨済宗の京都五山(東福寺や建仁寺など)・
鎌倉五山(円覚寺や建長寺など)を統括する総本山になりました。

法堂を参拝した後は、右(南)側の道に移動します。
(通用門から伸びる道ですね)
この辺もカエデ並木が続きます。

通用門から伸びる道に着くと、
さらに右(南)に赤レンガの建造物が見えます。
次は、そちらに行ってみます。

これは、「水路閣」と呼ばれる明治時代に作られた水道橋です。
インクラインの手前から北に分岐した琵琶湖疏水の支流です。
南禅寺の境内の南端にあるため、
カエデ並木や寺院と西洋建築物が同居する独特の風景が生まれます。
この写真も、クリックすると拡大できます。

水路閣の南に末寺の一つ南禅院へと続く石段があります。
今からそちらに向かいます。

石段を上りました。ここから見ると、水路閣はこうなります。
このまま右(東)に進むと南禅院に行きます。
ただ、そちらには後から行くとして、今は左(西)へ行く道をとります。

先ほどの写真から左(西)を向きました。
さらに上に行けるようになっています。
では、さらに上に向かいましょう。

石段の途中に、このようなものがありました。
亀山天皇は、南禅寺を建立した人物ですね。

石段を上り切りました。ちょうど水路閣の真上に出ます。
赤レンガの水道橋を上から見ると、このようになっています。
この水は、今も京都市民が水道水として利用しています。
琵琶湖疏水関連施設の大半は、
明治時代から100年以上たった今も現役です。

水路閣の反対側は、このように上を歩けるようになっています。
先まで行ったことはありませんが、
たぶんインクラインより上流の三条通に出ると思います。

水路閣から見上げると、大きな鐘楼が見えました。
鐘楼へと続く石段があったので、そちらに向かいます。

水路閣からさらに上に昇り、鐘楼まで来ました。
位置関係から、南禅院のものと思われます。
この脇に細い道がありました。今度は、そちらに向かいます。

細い脇道は、完全に山道です。
向こうに小さな鳥居が見え、そこでこの道は終わっています。

脇道の突き当りから、望遠で撮りました。
こちらは、嵯峨天皇の皇后の御陵です。
実は、東山山中は天皇陵が数多くあります。

では、脇道から南禅院の前まで戻ります。
……この写真、完全にブレていますね。
この辺りの写真はこれしかないので、これを掲載します。

南禅院の辺りにまで戻ってきました。
この左側に、赤レンガの水路閣があります。
この道の先にある南禅院に入っていくわけですが、
それは次回とします。
今回は、ここまでです。
~次回は、南禅院と南禅寺方丈の庭園を見に行きます。
抹茶を飲んで休憩して、南禅寺を出ます~
~追記~
南禅寺の山門には、約15年ぶりに上りました。
あの時は欄干が、とにかく汚くて
落書き(大半がナイフで削ったもの)がひどかったように覚えています。
今回上ってみると、欄干自体が修復されていました。
落書きは文化財の破壊行為なので、そのことを忘れてはいけません。
~追追記~
9月15日を以て、
訪問者数が5000人を越えました!
だんだん訪問者数が増えていっています。
これもみなさんが訪問していただいたおかげです。
本当にありがとうございました
~さらに追記~
この辺りの地図を貼り付けます。
詳しくは、ここをクリックしてください。
南禅寺は、地下鉄東西線の「蹴上」駅から徒歩約5分です。
このブログでは細かいところをゆっくり眺めているので
4倍以上の時間をかけて移動していますが……
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