第76回 無鄰菴とインクライン~蹴上散策~その4

南禅寺にだいぶ長い間いたせいで、もう午後4時です。
今からこの先にある無鄰菴に行った後
インクラインなど琵琶湖疏水関連施設に行こうと思うのですが、
時間的に間に合うかどうか……
撮影日は、2012年9月9日日曜日。
とりあえず、無鄰菴に向かいます。

南禅寺前交差点に来ました。
この道以外に、仁王門通が交差し白川通がここから伸びています。
今から仁王門通を西に折れますが、
その前に琵琶湖疏水の橋を渡ります。

南禅寺前交差点の橋から琵琶湖疏水を見下ろしています。
……とはいっても、この辺りの琵琶湖疏水には水が流れておらず、
代わりにレールが敷いてあります。
桜並木が続いているので、春には絶景になります。
ここはインクラインの西の端なのですが、後からもう一度来ます。

橋を渡ると、目の前に南禅寺交番が見えます。
今からここを右(西)に折れます。

さらに5mほど進みました。
目の前の茂みが無鄰菴なのですが、
入り口に行くには、ここを半周しないといけません。

仁王門通を西に進んでいます。
ここをずっと進むと、岡崎公園に着きます。
右(北)側は、琵琶湖疏水が流れています。
左(南)側は、無鄰菴の土塀が続きます。

南禅寺交差点から仁王門通を西に約100m進みました。
無鄰菴の土塀にこのようなものが書いてありました。
この矢印の通りに進みます。

先ほどの看板のあるところから南に向きました。
左(東)側は、無鄰菴の土塀です。
右(西)側は、瓢亭です。京都でも有数の料亭ですね。
では、ここを進みます。

先ほどの場所から約10m南に移動しました。
いよいよ無鄰菴の入り口です。
ここ無鄰菴は、山県有朋元首相の別荘でした。
山県有朋の死後、遺族が京都市に寄贈し
現在は京都市が管理する庭園になっています。

無鄰菴のチケットです。400円払って、中に入ります。

無鄰菴の中に入ってきました。ここから左回りに見ていきます。

入り口から左を向くと、母屋があります。
滞在時に、山県有朋はここで寝起きしたのでしょうか?
この写真をクリックすると、拡大されます。

母屋から、無鄰菴庭園を眺めています。
この庭園も、小川治兵衛の代表作です。
平安神宮や円山公園を造営した庭師で、
第73回ブログで出てきた智水庵や何有荘を造営した人物でもあります。
この庭園は、中を散策する道が続いています。
今から、そちらに向かいます。
なお、この写真もクリックすると拡大されます。

無鄰菴の庭園の小道は、奥の茂みへと続いています。
ここから茂みの陰に入ります。
この奥は琵琶湖疏水からの水が湧き出ています。
そちらにも行ったのですが、
写真はここから左回りで元の場所に帰ります。

無鄰菴の庭を母屋の方に戻っています。
同じ庭でも日向と日陰では景色が変わります。

無鄰菴の庭の日影に、キノコが生えていました。
本当にこの庭は、いくつもの顔を持っています。

キノコが生えていた辺りから、さらに西の方を見ています。
向こうに、茶室が見えます。
自分は山県有朋はもっと無骨な人と思っていたのですが、
茶道もたしなむ風流な方だったようです。

茶室の前からさらに西に向いています。
茶室の向こうに、洋館が見えます。
日本史の教科書にもある「無鄰菴会議」が行われたところですね。

洋館の中は、土足と撮影厳禁です。
ですから、この先の写真はありません。
ここの2Fで、無鄰菴会議が行われました。
無鄰菴会議は、1903年(日露戦争の前年)
山県有朋と伊藤博文(どちらも明治政府の中心人物)それに
当時の内閣総理大臣の桂太郎、外務大臣の小村寿太郎が、
日露戦争の在り方について話し合った会議です。
大日本帝国憲法や内閣、帝国議会を作り上げた伊藤博文に対して、
山県有朋は陸・海の大日本帝国軍を作り上げました。

母屋の横にある出入り口です。これで、無鄰菴を一周してきました。
時間がないのでここを出て、次に行きます。

無鄰菴を出ました。仁王門通の方を向いています。
こちらの方に、向かいます。

無鄰菴入口から約30m北に進み、仁王門通に出ました。
今は仁王門通を東に向いています。
右(南)側に見えるのは、無鄰菴の土塀です。
これから、この先の並木越しに見える白い建物に行こうと思います。

車道を渡って、北側歩道に着きました。
フェンスと桜の木の向こうは、琵琶湖疏水です。
左側の噴水の向こうは、京都市立動物園です。
岡崎公園最東端ですね。
左側の男の人が立っている辺りから
琵琶湖疏水の方に降りられます。
時間がないので、こちらから近道をします。

この写真は、後から南禅寺前交差点の橋の上から撮りました。
噴水の向こうに、京都市立動物園が見えます。
目的地の閉館時間が午後4時半で、
あと数分という状態でした。
(写真をゆっくり撮っている場合ではなかったのです)
ここはインクラインの西端で、
水が来ていないので歩いて渡れるようになっています。
ここを走って、左(南)から右(北)へと渡りました。

ここは、琵琶湖疏水記念館です。
左右に蹴上発電所で使われていたタービンが飾ってあります。
現時点で、午後4時28分。
ここに入ってすぐに、この入口が閉じてしまいました。
中は、琵琶湖疏水の歴史や遺構が飾ってありました。
(北垣国道知事の写真とかがありました)
特にお勧めは1Fの蹴上周辺の模型で、
琵琶湖疏水関連施設の位置や役割が分かりやすく解説してあります。
では、ここを出ます。この出入り口は閉ざされたので、
北側から出てまた南禅寺前交差点の方に向かいます。

また南禅寺前交差点に戻ってきました。
南東(地下鉄東西線「蹴上」駅方面)を向いています。
今から、駅へ戻る途中にある琵琶湖疏水関連施設を回ります。

南禅寺前交差点の南禅寺交番の東隣りに、
京都市国際交流会館があります。
時間が遅く、もう閉まっていました。
建物はもう少し右側にあって、
正面に見えるのはウェスティン都ホテル京都です。

さらに京都市国際交流会館の東隣りに、蹴上発電所がありました。
琵琶湖疏水の水を利用した水力発電所です。
現在は関西電力が所有し、今も発電が行われています。

蹴上発電所は立ち入り禁止なので、仁王門通から撮影します。
左側の赤レンガの建物が第二発電所で、昭和初期まで動いていました。
右側のコンクリート製の建物は第三発電所で、今も動いています。
ちなみに、第一発電所は第三発電所建設のさいに取り壊されました。
(第三発電所の位置に、第一発電所がありました)

仁王門通の北側歩道に移動しました。
桜並木が続いていて、春には絶景になります。
ここから、地下鉄東西線「蹴上」駅に向かいます。

仁王門通を南東に進んでいます。
柵の隙間から琵琶湖疏水が見えます。
ただ、この辺りの琵琶湖疏水は水が流れておらず、
代わりにレールが敷かれています。

琵琶湖疏水のレールはだんだん高くなり、
ついに仁王門通より上に来ます。
その途中に、仁王門通からそちらに入れる場所があります。
では、そちらに入ってみます。

琵琶湖疏水のレールの上に立っています。
ここに立つと、かなり急な坂道であると分かります。
ここはインクラインと呼ばれる場所で、
明治時代はここをトロッコに乗った輸送船が通っていました。

今度は同じ場所から望遠で撮りました。
桜並木の向こうに、南禅寺前交差点の橋が見えます。
その向こうは、京都市立動物園がかすかに見えます。

インクラインの北側の端に、小さな溝がありました。
この辺の琵琶湖疏水の水は、ここを流れています。

仁王門通と接するような位置に、
一台だけ輸送船を乗せたトロッコが残っています。
(動かないように、柵で固定されています)
琵琶湖疏水は滋賀県から京都への水運にも利用されたのですが、
蹴上周辺は高低差があって、船で移動することができません。
そのため、急な坂道の部分は
このようにトロッコで船を運んでいました。
それを「インクライン」と呼んでいました。
明治時代はここも賑やかだったのですが、
鉄道が整備されると内陸の水運は廃れて、
1948年に完全に廃止されました。

では、インクラインから再び仁王門通に降ります。
ここから南東に進んで、地下鉄東西線「蹴上」駅に向かいます。

先ほどの地点から約100m南東に進みました。
ここは、第72回ブログ以来の「蹴上」交差点です。
ここで仁王門通が終わり、三条通に合流します。
この辺りで、「左京区 南禅寺」から
「東山区 粟田口」に戻ってきました。

蹴上交差点から、約100m南東に進みました。
左側に、第73回ブログで出てきた
「ねじりんぼ」が見えてきました。
ここの通り抜けると、また金地院に行くことができますが、
もう遅いので地下鉄の駅に戻ります。

「ねじりんぼ」からさらに100m三条通を南東に進みました。
やっと地下鉄東西線「蹴上」駅に着きました。
もう午後5時半を回っています。
ここから家に帰って、蹴上散策を終わります。
~次回は、蹴上から東山を越えていきます。
三条通編はまだまだ続きます~
~追記~
個人的な話ですが、最近休日が急に減りまして、
なかなか更新できませんでした。
本当は、もう4日ほど早く更新したかったのですが、
だいぶ遅れてしまいました……
次とその次はできるだけ急いで更新しようと思いますが、
忙しい状況次第です……
~追追記~
この辺りの周辺地図です。
詳しくは、ここをクリックしてください。
蹴上散策は、地下鉄東西線「蹴上」駅が便利です。
駅へは、京都駅から地下鉄烏丸線の国際会館行きに乗って、
「烏丸御池」駅で醍醐行きに乗り換えましょう。
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